『ホットスポット』現在の伏線候補をまとめてみた 高橋さん以外にも宇宙人だらけ?

市川実日子主演の日本テレビ系ドラマ『ホットスポット』は、バカリズムが描く「地元系エイリアン・ヒューマン・コメディー」として、これまでは角田晃広演じる宇宙人・高橋のいる日常が淡々と描かれてきた。しかし第5話で『月曜から夜ふかし』のディレクター・岸本(池松壮亮)が取材に来たことで、第4話までに高橋が行った特殊能力の目撃情報が多数寄せられる展開となり、最終的にはホテルの支配人(田中直樹)と、高橋を宇宙人と疑っていた同僚の由美(夏帆)に正体をカミングアウトするなど、物語が大きく動き出した。そこで現時点での気になる点を振り返ってみたい。
宇宙人・高橋のスペックについて改めておさらいすると、父が宇宙人、母は地球人のハーフで母親似。特殊能力として指で10円玉を曲げられたり、足を異常に速くしたり、離れた場所でのひそひそ話も聞き分けたり、できることはあくまで元々ある能力を引き上げることだけ。能力を使うと副作用が生じ、鼻炎になったり熱が出たり、頭脳系の能力を使うとハゲたりする。
ただ主人公・遠藤清美(市川実日子)や高橋が勤める「レイクホテル浅ノ湖」の温泉成分が宇宙人にとって回復効果を持つということで、2日に1回は温泉に入っている。それを思うと、長期滞在の客・村上博貴(小日向文世)の頭が薄いこと、高橋や幼少期の高橋の父親と思われる男(野間口徹)と同じタイプの眼鏡をかけている共通点もあって、彼も宇宙人なのを匂わせている。もしかしたら小日向の若かりし頃が野間口で、高橋とは親子という可能性も。

村上は第4話で物思いに耽るようにじっと富士山を眺めていた。富士山は宇宙人の基地という都市伝説があるが、もし村上が宇宙人なら宇宙船の迎えを待っているのか。もしくは富士山の噴火を止めているなんてことも。また気になるのが宿泊中の受験生・上村貴博(萩原護)と名前があまりにも似ていることだが、宇宙人としての遠い親戚、もしくは受験生の未来の姿が小日向で、現代にタイムスリップしてきたのか。いや、普通の富士山信仰の強いただの温泉好きかもしれない。
髪で言うと常連客の丸山(清水伸)もおでこが広い。拡大解釈すると、本作にはレトロな髪型でおでこを出している登場人物が多く、例えば第1話でクビになった清掃員・中本こずえ(野呂佳代)や富士浅田市長候補の梅本雅子(菊地凛子)もそうだ。第1話で高橋の聴力をファミレスで試した際に、「梅本さんの指示で」という声が聞こえていた。清美たちの席の側にいた清美の同級生・あやにゃんこと岡田綾乃(木南晴夏)の夫・岡田信一(田村健太郎)の声の可能性が高く、彼もまた眼鏡でおでこを出しており、あやにゃんの娘が喋ったときに妙なノイズ音がしてそれが宇宙人のようだったことなど、宇宙人であることを裏付けそうな事実が揃っている。つまり宇宙人が梅本の指示を受けているとしたら本作の舞台は宇宙人が支配する町となるが、それは今後の展開を待ちたい。

ただ髪型に限って言うと清美も怪しい。第5話を観て改めて清美と高橋の関係性が気になった。同僚の小野寺(白石隼也)が宇宙人と疑われるのが可哀想だからと言って、支配人と一番厄介な由美にまで高橋が宇宙人であるとカミングアウトさせる必要が本当にあったのか。そして高橋はなぜ50年以上黙ってきたことでも清美の言うことなら何でも聞いてしまうのか。
しかし、そもそも清美に自分が宇宙人だと知ってほしいと自ら暴露したのが高橋。また、何かあると「イラっとした?」など清美の気持ちを先回りし察することができること。この関係性を見るとどこか夫婦のようにも見えてくる。清美はシングルマザーの設定だが夫に関しての情報はまだ出ていない。また清美に関して気になるのは忘れっぽい描写が多いこと。娘にお願いされた午後ティーの買い出しを忘れていたりする。またアラフォーなら知っていてもおかしくない『E.T.』を知らなかったこと(友人2人もだが)。何度も何かを忘れている描写があることから、記憶を消されている可能性が十分にある。実は2人が夫婦で、何らかの理由で記憶が改竄されたか。

もし清美も宇宙人だった場合、高橋が自らカミングアウトしたのは宇宙人としての記憶が残っているのかの確認だったなどいろいろと考えられる。また娘が「レイクホテル浅ノ湖」のアメニティの化粧水を愛用しているのも、宇宙人の娘の可能性が高い証拠かもしれない。温泉ではないが清美の周りには加湿器があるのも気になる。いやむしろ3人が集まる飲食店「もんぶらん」でも印象的に映されているのは町に宇宙人が多いということなのか。しかしなぜ急に行列ができるようになったのか?
また多くの人に囁かれている、トラックで轢かれたときに既に清美は亡くなっていた説。このドラマは由美との最初の会話は角部屋に幽霊が出るという話から始まっていて、第4話の角部屋の幽霊騒ぎで、ベッドに隠れている女性だけでなく他に女性が窓に映っていたことがSNS上で話題となった。実際、富士山信仰には霊の話題も多い。だから本作は宇宙人ネタでカモフラージュした幽霊話で、ホテルが幽霊の「溜まり場」だったという設定で、清美が最後に映画『シックス・センス』的な展開を迎えたりするのかも。少なくとも、清美が事故で昏睡状態となっていた夢の中の話という可能性も捨てきれない。