『ホットスポット』デジャブ徹底の爆笑回 野呂佳代の「CAT’S EYE」熱唱も完璧な仕掛けに

『ホットスポット』(日本テレビ系)を観ながら、気づけば「ははは」と声を出して笑ってしまっている自分にビックリする。ドラマを観ながらこんな声を出して笑うことなんていつぶりだろうか。その頻度だけで言えば、第6話が一番多かったかもしれない。
第6話の笑いの要素にあるのは、デジャブ。お笑い用語で言う天丼だ。ポイントは大きく分けて2つ。第5話にて、支配人の奥田(田中直樹)と由美(夏帆)が、高橋(角田晃広)が宇宙人であることを知ったことからの展開がその一つ目だ。奥田は、高橋が宇宙人だということをなかなか受け入れられずにいたものの、徐々に興味を持ち始めている様子。清美(市川実日子)や幼なじみの葉月(鈴木杏)、美波(平岩紙)たちと同じリアクションだ。人間としての能力を引き上げる特性にある宇宙人に対して、歯の痛みを治したり、シミ取りを依頼したりと、“超能力”と勘違いしているところまでが、一緒だ。

そして2つ目は、スナック「のん」のママ・紀子(MEGUMI)と瑞稀(志田未来)の初登場なのだが、ここが先述した1つ目とリンクしている。紀子は清美の中学生時代の同級生であり、瑞稀は由美の幼なじみなのだ。清美たちは瑞稀を通して、由美がすでに高橋のことを喋ってしまっていることを知る。

「由美は絶対に話すだろうな」という視聴者の予感が確信に変わる笑い。そこでシーンは、レイクホテル浅ノ湖で夜勤中の高橋と由美に変わり、幼なじみは信用できる子、という清美が高橋に懇願していた時と全く同じやり取りが行われていく。「その子だけね」「その代わり、会って能力見せてほしいとかはなしだからね」(高橋)、「そこをなんとか」(由美)、「もう言ってるよね!」(高橋)というもはや鉄板のフレーズが生まれている。

さらに、由美は瑞稀を連れて、ファミレスで高橋の能力を見せてもらうことに。既視感のある、シチュエーションとやり取り。10円玉を折り曲げ、「なんでこんなことができるかと言うと、宇宙人だからなんですよ」と言い慣れてきている高橋。微かに肩が揺れ笑いをグッと堪える志田未来が微笑ましい。由美を絶妙に嫌味のないキャラに着地させているバカリズムの脚本も流石だ。ちなみに、夏帆と志田の共演は『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)視点だと、なっちとあーちんの妹・遥が仲良くしているといったシチュエーションにあり、同じチームだからこその嬉しい組み合わせでもある。