『レディ・プレイヤー1』はオマージュの数々に注目 名作ホラーからの引用はどのように誕生した?

『レディ・プレイヤー1』はオマージュの数々に注目 名作ホラーからの引用はどのように誕生した?

 ロードレージの恐怖を描いたテレビ用映画『激突!』(1971年)で映画初監督を務め、いまや世界的なヒットメイカーとしてその名を轟かせるスティーヴン・スピルバーグ。彼のフィルモグラフィーを覗くと『未知との遭遇』(1977年)や『E.T.』(1982年)などのSF作品はもちろん、『太陽の帝国』(1987年)や『プライベート・ライアン』(1998年)といった戦争作品も存在感を示しており、その振り幅の広さには驚嘆せざるを得ない。およそ40年のキャリアを誇るスティーヴン・スピルバーグについては、もはや説明不要だろう。そんな世界的な映画人でさえ、ときには映画製作の中で困難に直面する。その中でも“著作権”という面で最も苦労を強いられた作品こそ、7月3日に日本テレビ系『金曜ロードSHOW!』で地上波初放送される『レディ・プレイヤー1』(2018年)ではないだろうか。

 原作者のアーネスト・クラインは、筋金入りのオタク作家である。『レディ・プレイヤー1』の原作小説『ゲームウォーズ』(SBクリエイティブ刊)は米国でベストセラーを記録し、日本をはじめ世界各国で翻訳されている。クラインの大衆文化に対する敬意と情愛は、本書の中にも顕著にあらわれた。この物語では、日本や米国をはじめとする世界中のポップカルチャー作品から誰もが知る――あるいはマニアックな――キャラクターが総動員され、さまざまな版権のキャラクターが“オアシス”と呼ばれる仮想現実の世界でクロスオーバーを果たしている。まさにオタクが想像した夢の世界というワケだ。

 例えば、アニメーション映画『アイアン・ジャイアント』(1999年)からタイトルロールの巨大ロボが登場し、一方では日本の人気テレビアニメ『機動戦士ガンダム』シリーズから“RX-78”が飛翔する。小説版では『ブレードランナー』(1982年)の巨大企業タイレル社が登場し、東映版『スパイダーマン』からレオパルドンが姿を見せる。さまざまな年代の映画やテレビ、アニメ、マンガ、そしてゲームなどが作品の垣根を越えて一堂に会する、夢の空間だ。ゆえに、その気宇壮大な世界観から、映像化はまず不可能であると思われた。

 映画化ともなれば、登場するキャラクターのそれぞれの版権元から許可を得なければならず、そうした権利上の問題をクリアしなければならない。一筋縄ではないかない難しい問題だが、結果として映画は、著作権で保護された原作要素のおよそ80パーセントを確保し、この壮大な物語を映画として結実させるに至っている。著作権というデリケートな問題を無事にクリアできたのは、やはりスピルバーグの評判があってこそ。彼のキャリアが最も大きな効力となったのだろう。なにせ、あの世界的なスティーヴン・スピルバーグが映画を撮るとなれば、みなこぞって許諾するハズだ。さすがスピルバーグ。彼のネームバリューは計り知れない。

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