「もっと信じろよ!」ウエストランド井口、激怒の理由は? 最新書籍でぶちまけたお笑い界への忖度なき思い

ウエストランド井口、最新刊での怒りの理由
「書籍!! 今月のお笑い ウエストランド井口と作家飯塚のお笑い界ひねくれ大解説」(宝島社)

 ウエストランド井口浩之が『水曜日のダウンタウン』や『オードリーのオールナイトニッポン』などを手掛ける構成作家の飯塚大悟との共著「書籍!! 今月のお笑い ウエストランド井口と作家飯塚のお笑い界ひねくれ大解説」(宝島社)を刊行した。最近のお笑い界の出来事を忖度抜きで語り合い、お笑い史としても楽しめる内容だ。

 今回井口氏にインタビュー。些細な質問にも身振り手振りを加え、しっかりと受け答えをしてくれて、その姿はテレビで観る井口氏そのもの。言葉の純度が高く、ひたすらに正直。彼を「ひねくれ者」「毒舌」と表してしまいがちだが、もしかしたら日常で言葉をオブラートに包むことにすっかり慣れてしまった私たちが彼の言葉を受け止めきれないだけなのでは。自身で書いたという帯「もっと僕を信じろよ!」への思いとはーー。

■「もっと僕を信じて」の真意

お笑い界に喝を入れるウエストランド井口浩之氏

――今回の書籍はお笑いナタリーの連載をまとめたものとなっています。そもそも連載はどのように始まったのですか。

井口:正直全然覚えてないんですよ。なんで始まったのか。まあM−1優勝前からやってることは確かです(2022年にスタート。同年12月18日の『M-1グランプリ2022』で優勝)。気付いたら結構やってるなっていう。でも別に何の思い入れもなくて……うーん特に思い出はないです。

――(笑)そうなんですか。連載の中でいちばん記憶に残っている回など教えていただきたかったのですが……。

井口:記憶も残ってないんです。でもそれぐらいがいいっていうのもありますしね。ほんと記憶に残るような話じゃないんで。絶対にこれを伝えたいとか提言したいとかなくて、ただ雑談してるだけなんで。いちいち重すぎたら読めないし、こちらもやってらんないじゃないですか。だから本当に気楽に読んでほしいです。あ、思い出した。連載が表彰されたお祝いでみんなで焼肉食べに行ったっていうのは覚えてます(笑)。

■M−1に対する正直な気持ち

今初めて読んだという自身の書籍に目を向ける。

――本書には、M−1を優勝したときの項目もありました。

井口:そうすね。なんて言うんですか、飯塚さんが色々言ってくれてるんで助かってます。M−1優勝のときがいちばん忙しかったですからね。ちょうどそのあたりでライブがあって、もちろん優勝する前からイベントは決まってたんでしょうが、やることになってイベントだけでも大変なのに、楽屋で連載の取材やらされたんですよ。イベントの中で話したやつでいいんじゃないかと思ったら別でやったんすよ! それがめちゃくちゃめんどくさかった記憶がありますね、もういいじゃねえかっていう。

――(笑)M−1アナザーストーリーにまつわる話も掲載されていました。

井口:気まずかったですね。これまでM-1のアナザーストーリーのことをネタで色々言ってたんで。(書籍に)そういうのもあるんすね(あまりの他人事に一同爆笑)。まあM-1優勝っていうのは大きい出来事ではありますけど、そこまで何も思ってないというか、みんなほどはM−1もそんなにめちゃくちゃ好きなわけじゃないっていうか、それぐらいだったからよかったんでしょうけどね。

――書籍化にあたり、新規語り下ろしパートもありました。

井口:そんなんあるんですか?(またまた他人事)

編集担当:あります、いっぱいありますよ!(一同爆笑)

井口:書籍の「付け足しトーク」(過去の回を井口、飯塚が振り返る内容)っていうところですね。その通りになってることもあれば、全然違うことになってることもあると思うんで、そこら辺は気楽に受け止めて欲しいですね。

■読む価値があるのは爆笑問題・太田氏との鼎談

――巻末には爆笑問題の太田さんとの鼎談が入っています、かなり読み応えのあるものでした。

井口:そこだけは僕も読みました。正直そこだけでも買う価値があるというか。本の中にもあると思うんですけど、ずっと爆笑さんの番組の前節や「太田上田」(中京テレビで放送の太田光と上田晋也によるバラエティ番組)の見学に行かせてもらってました。帰りは太田さんの車で、昔のテレビの話とかお笑いの話を聞いたりして、それがすごく良い時間で。太田さん記憶力がめちゃくちゃよくて。当時のことは、ウィキペディアを見ても空気感まではわかんないじゃないですか。だから今回改めてお話しできて、鼎談はどんどんやったほうがいいと思いました。とろサーモンの久保田さんとやらせてもらってる番組(テレビ朝日で放送されているバラエティ「耳の穴かっぽじって聞け!」)に東野さんに来てもらったこともありましたが、あれもよかったです。レジェンドというか上の人に色々聞いて、当時どうだったかっていう。そういう番組が始まって欲しいと思います。

――昔のことを知るためにどういったことを?

井口:今はYouTubeに残ってたりするけど、録画機能もないような時代の話は本人が語るしかないじゃないですか。おじいさん、おばあさんの戦時中の話もやっぱり大事じゃないですか。それと一緒でテレビの初期の歴史とか、その頃のお笑いの話を聞いて語り継ぐのは大事なんだなと思いましたね。僕のじいちゃん「自分史」を書いたんですよ。それが急に送られてきて読んだんですけど、戦争中のことが書いてあるんです。偉人の戦時中の話はよくあるけど、そうではない戦時中の話ってなかなかないじゃないですか。すべてのおじいさんおばあさんに自分史を書いてもらったらどうかなと思ったんです。

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