「もっと信じろよ!」ウエストランド井口、激怒の理由は? 最新書籍でぶちまけたお笑い界への忖度なき思い

ウエストランド井口、最新刊での怒りの理由

■正しいことを言ってるのに誰も信じてくれない

令和ロマンがM-1を2連覇してからお笑い界の変化を感じているという井口氏

――書籍には3年分のお笑い史が載っています。この3年で井口さんの立ち位置的なもの、目指すものなどの変化はありましたか。

井口:僕自身は全然変わってないですが、僕らの後に令和ロマンが2連覇して、そこから(高比良)くるまが力を持った途端、みんながバカになっちゃって、みんなくるまのことを信じちゃって。もう日本人全員の脳みそがどんどん小さくなって何にも考えなくなってる……日本終わりですよ本当に!「なんかすごそう、新しそう」っていうだけで崇めるようになっちゃった。これ読んでもらえばわかると思うんですけど、結局僕が毎回正しいことを言っても誰も信じない。最悪の時代になっちゃいました。今が日本の歴史の中で最悪の時代に突入してますね。

――井口さんの特徴でもある毒舌スタイルで、壁を感じたり葛藤があったりすることは?

井口:いや、毒舌っていう意識は全くないです。世の中を良くしたいというか本当のことを言ってるだけなんで。むしろいちばん優しいっていうか。だって「みんなと仲良くしましょう、義理人情、大事にしましょう」って言ってる僕のほうがよっぽど丸い人間というか。他の人のほうが尖ってて怖いですから。友田オレみたいに自分のネタだけやってエンディング出ないで帰るやつとかのほうが怖いんだから、僕が一番丸い人間ですよ。だから何も変わんないっすね。世の中がもう本当に平和になっちゃったら、やることなくなる可能性はありますよね。お笑い界とか本当に平和になったらいいんですけど、一向にならないんで、もう言い続けるしかないすね。

さらに読む井口氏。いつまでも自然体のスタイルは取材中も変わらない

――逆に平和を求めてないのでは。

井口:いやいや、なってほしいんです、心から。でも絶対ならないです。だってもうみんなバカですからね。おかしいじゃないですか。バッテリィーズのエースが結婚してたとか、(松井)ケムリが結婚してたとかで、これとんでもないことになるぞ! って思ったら、みんな祝福してて、いやまず謝らないと! 嘘ついてたんだから!(M−1)アナザーストーリーで実家暮らしとか言ってたし。嘘ついてんだから! あれをなんでみんな疑問に思わないんだというか、もう吉本がすっごい好きなんだこいつらは! っていう感じですね。あれで謝らないのもやばいし、詰められないのもやばい。じゃあもう言わなきゃいいじゃないですか「結婚した」って。もう内緒にしといても絶対に怒らないんですね? いいんですね? っていう。じゃあ怒るなよ? 誰のこともって思います。そういう奴らばっかりなんで、絶望ですよ本当に。

――井口さんがご結婚される場合、発表は。

井口:いや、だからもう誰にも言わないですよ、死ぬまで。それでいいんでしょっていうことが判明しましたからね。その通りやりますよ。それがいいってことですから。そっちがその気ならっていう感じです。

――バレた場合は。

井口:バレたら「普通にしてました」って言います。エースやケムリの場合もみんな祝福してくれたわけですから、それが違ったら怒りますよね、なんで僕のときだけ違うんだよっていうことですから。ただ僕の場合はそんなプライベートがある感じでもないので、隠すとか無理だと思いますけど、まあ結婚もしないですね多分。

■SNSでは言わないことが書いてある

――SNSで発言が切り取られる不安は?

井口:SNSでは言わないですね、炎上するんで。でもこの本は治外法権というか。例えばこの本がネットに載ったとしてもいわゆる発言を切り取るネットニュースとはまた違うじゃないですか。隠れみのというか。ちなみに「オトステ」というポッドキャストをやっているんですけど、これもどれだけ言ってもネットニュースにならないんですよ。逆に個人のYouTubeで言うとチャンネル登録者数も全然いないのにすぐ書かれます。だからこの本と「オトステ」では言いたいこと言ってます。ちゃんとバレないところを選んで言ってるんで(笑)。

この本は治外法権。言いたいことだけ言ってます

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