櫻井翔の「言葉」はなぜ記憶に残るのか? アイドルからキャスターまで、マルチな仕事を振り返る

櫻井翔のマルチな仕事を振り返る

■「知りたい」を楽しむバイタリティを、この先も

 一方で、5月22日には新特番『櫻井翔のワンナイトスタディ』でホテルスタッフとして夕方5時から朝7時まで深夜のロケに挑む姿も。多くの人が寝静まる時間に働くプロフェッショナルたちへのリスペクトが伝わってくるのと同時に、今まで知らなかった世界に触れられる知的好奇心に目を輝かせる櫻井の顔が印象的だった。

 櫻井はもはや芸能人としては大スターと呼べる存在感となった。『news zero』のキャスター(日本テレビ系)として、台湾総統に海外テレビメディアとしては初の単独取材を実現させたことでも証明されたばかり。しかし、自分の足で訪れ、自分の目で見たことを伝えたいという気持ちの強さは、むしろ年々増しているのではないかと思わされる。

 SUPER EIGHTの村上信五と、まだ知らない日本各地の魅力を可能な限り伝えようと鬼のようなスケジュールでロケ先を巡る『櫻井信五の鬼スケ旅』(日本テレビ系)でも、率先して「走るか!」と動き出す。時間的にギリギリなときも決して諦めない。訪問した先でもバタバタはしても、雑な対応は一切しない。そんなテキパキとした櫻井に、村上から「素晴らしいね。ホンマ要点パパンッて押さえて!」と称賛の声が上がったこともあった。この先に何が待っているのか、そこで自分は何を思い、それを伝えたときに世界の何が変わるのか。その知的好奇心に突き動かされているのではと思うほど。

 「魅力は計算できないところにある」とは、『安藤忠雄 青春トーク2025』(MBS毎日放送)で櫻井と対談した建築家・安藤忠雄の言葉。「人間もそうでしょ。櫻井さんという魅力。他の人にはできない魅力。そういうものが重なり合ってくると、また新しい世界が出来上がる。そこで一歩行くんかなと」とも。まさに、櫻井翔という他の人にはできない魅力が、多くの人々に気づきを与え、そして新たな世界へと繋がっていく。安藤と対談を終えた後、櫻井は「今、自分40歳ちょっとですけど、ここから40年、50年と、同じバイタリティで駆け抜けられるかなって思うのと同時に、そうありたいなと」と意気込んでいた。

 現状の活躍に加えて、さらに7月には「占拠」シリーズ第3弾となるドラマ『放送局占拠』(日本テレビ系)で主演を務め、そして来春には嵐のラストツアーというまだ誰も見ていない世界が待っている。もちろん、その先も櫻井の挑戦は続いていくことだろう。彼が今後駆け抜けていく日々を通じて、私たちにどんな世界を見せてくれるのか。そこで、どんな言葉を届けてくれるのか、これからも楽しみで仕方ない。

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