ano主題歌で注目『タコピーの原罪』は絶望的な世界観をどう表現する? ハイクオリティなアニメに期待

ano主題歌『タコピーの原罪』アニメに期待

 「少年ジャンプ+」で連載開始後、瞬く間に拡散され世間の話題をさらった『タコピーの原罪』(タイザン5/集英社)。上下巻完結ながら累計発行部数145万部を誇る本作、満を持してのアニメ化が先日発表された。2025年6月28日0時よりNetflix、Amazon Prime Video、ABEMA、U-NEXT他各配信プラットフォームにて配信される。


 突然ドクダミを口の中に押し込まれたような衝撃的な第1話が読者にセンセーショナルな印象をもたらし、連載当時は最新話が更新される度にXのトレンドに上り、最終話は1日で350万閲覧という異例のヒットとなった。本作の持つ魅力を改めて振り返りつつ、アニメ化への高まる期待感についても触れていきたい。

宇宙にハッピーを広める為にやってきた宇宙人、その名はタコピー

 本作は宇宙にハッピーを広める為に故郷のハッピー星に別れを告げて地球に降り立った宇宙人「タコピー」が小学4年生の女の子、久世しずか(くぜしずか)と出会うことから始まる。空腹のタコピーにパンを与えてくれたしずかへのお礼の為に、空を自由に飛ぶことのできる「パタパタつばさ」など、様々なハッピー道具を使って楽しんでもらおうとするタコピー。

 普通の小学生なら目を輝かせて遊びたくなることだろう。しかし、しずかは「私はいいや」「空なんて飛べたってどうせ何も変わらない」と冷めた態度でハッピー道具には目もくれず、ボロボロの、心ない言葉が刻まれた、まるで今のしずかの心情を体現しているかのようなランドセルを抱えながらその場を後にする。

 タコピーは、ハッピー思考が過ぎるが故にしずかが置かれている状況を理解できないまま、やがて大きな事件に巻き込まれてしまう。

 複雑に絡み合う人間関係と、田舎の小学校ならではの閉塞感が生み出す息苦しさ。そしてタイトルにもある「原罪」というテーマ。人間の業の深さを否が応にも味あわされる苦しさ。絶望の中でわずかな救いを求めてページを読み進める中で、タコピーがもたらしてくれた「ハッピーな結末」とはどのようなものだったのか。ぜひとも本作を手にとって感じ取っていただきたいところだ。

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