『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』情報量多すぎの第7話ーー新たな意味をもつシャリア・ブルの言葉

『GQuuuuuuX』情報量多すぎの第7話

■新たな意味を持ってくるシャリア・ブルの言葉

  ここで新たな意味を持って立ち上がってくるのが、第一話冒頭でシャリア・ブルが口にしていた「平和のための必要悪です」という説明だ。もともとはモビルスーツの民間への払い下げの是非を巡ってソドンのブリッジで交わされた会話で出てきた言葉で、シャリアは「戦後職にあぶれた連邦軍敗残兵の食い扶持のためにモビルスーツを与えるのも、戦勝国の義務である」という話をしていた。

  この時は取るに足らないやり取りに思えたものだが、シャリアが「平和維持のため」に何をするつもりなのかを考えると、セリフの重みがなかなか違って聞こえてくる。なんせシャリアは、前回速攻で軍警の捜査員を二人も射殺しているのである。任務達成のためなら自分の手を汚すことも厭わず、究極の目的は一年戦争後の平和の維持。そのための「必要悪」ならば、ギレンとキシリアの同時排除という離れ技すら画策するという、なかなかとんでもないプランを抱えているわけである。シャリアのいう「必要悪」の限度が一体どのあたりのラインに設定されているのか、全く読めない。

  もうひとつ書けば、シャリアの狙いがキシリアとギレンの排除にあるというのは、シムス大尉との会話で出てきた話だった。ということは、シムス大尉はシャリアの企みを知る同志ということになる。元の『機動戦士ガンダム』ではサイコミュ兵器を研究しているサブキャラクターという立ち位置だったシムス大尉が、まさかザビ家による政権の転覆を狙う重要キャラクターになるとは思っていなかった。ゲーツ・キャパやバスク・オムが出てきたことより、シムスがそんな位置で謀略に加担している方がよっぽど異常だと思う。

  どうやら来週は『Beginning』で描かれたソロモン戦のエピソードが放送される様子。赤いガンダムがゼクノヴァで消えたところで「では、ゼクノヴァとはなんだったのでしょうか」というエピソードを挿入するという構成はなかなかスマート。『Beginning』を見ずに本放送だけ見ても面白かったのではないか。『Beginning』視聴済みの視聴者にとっては一週間ヤキモキさせられることになりそう。果たしてマチュとニャアンはどうなってしまうのか。そしてあと実質残り4話で『GQuuuuuuX』は完結するのか。なんとも気になるところである。

 

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