『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』他のガンダム作品と何が違う? ドカ盛り第4話から今後を考察

『GQuuuuuuX』ドカ盛り第4話から今後を考察

■ギレンはいつ登場する?

  気になることといえば、『Begnning」から一貫してギレンの姿が劇中に登場していない点である。また、戦後のキシリアもいまだに登場しておらず、宇宙世紀0085においてギレンとキシリアがどこで何をしているのかもよくわからない。このあたりについては、今後のエピソードで掘り下げられるであろうポイントだと思う。

  もうひとつ物騒な連想としては、冷戦につきものだった代理戦争という要素もある。冷戦期、米ソが直接戦争をすることはなかったが、代わりに両陣営がさまざまな国を支援し、直接的戦争ではなく代理で戦争をさせた例があった。代表的なものでは北ベトナムをソ連・中国が、南ベトナムをアメリカなどが支援したベトナム戦争や、アフガニスタンに侵攻したソ連に対し抵抗するムジャヒディンを西側などが支援したアフガニスタン紛争がある。

 『GQuuuuuuX』世界では一年戦争にジオン公国が勝利したとはいえ、その勝利はギリギリの辛勝といっていいものであり、連邦もいまだ存続している。また各コロニーとジオンとの関係も火種を抱えたものであることは、4話冒頭のデモの様子などで描写されてきた。戦後5年が経過したものの、地球圏はいまだ相当に不安定な状態なのである。その状態で大規模な紛争が勃発し、ギレン側とキシリア側に分かれた代理戦争となれば、連邦も絡んだ三つ巴の戦争に発展する可能性もある。この構図は、エゥーゴとティターンズの戦闘にアクシズが絡んだグリプス戦役の構図に近い。

  上記はあくまで自分の妄想であり、「冷戦下の感覚を描く」と鶴巻監督が発言している以上、従来のガンダムが描いてきた大規模な宇宙戦争にはならない可能性も高い。ただいずれにせよ、『GQuuuuuuX』が「対立する2陣営が睨み合う不安定な状況」をベースとする物語であり、この状況がストーリーに大きな影響を与えるのは間違いないのではないか。原典となった『機動戦士ガンダム』に加えて実際の冷戦の歴史も踏まえておくと、より深く『GQuuuuuuX』の世界を楽しめるかもしれない。

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