『名探偵コナン』毛利小五郎が最もカッコよかったエピソードは? 最新映画でも注目の推理&戦闘力

 4月18日より劇場版『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』が全国劇場で公開。あわせて『金曜ロードショー』(日本テレビ系)では『隻眼の残像』公開を記念して3週連続「コナン祭り」と題し、劇場過去作が順次放送される。中でも4月4日に放送の『14番目の標的(ターゲット)』と4月11日放送の『水平線上の陰謀(ストラテジー)』は『隻眼の残像』でも活躍が期待される毛利小五郎をフィーチャーした作品となっている。

 毛利小五郎といえば普段はポンコツ探偵と揶揄されることも多いが、だからこそいざというときに見せる推理力や探偵としての矜持に惹かれてしまうキャラクターだ。本稿では『金曜ロードショー』の放送に先駆けて原作における小五郎の活躍回をプレイバック。『金曜ロードショー』の放送、そして『隻眼の残像』公開前に毛利小五郎というキャラクターの魅力を改めて掘り下げてみたい。

①小五郎の同窓会殺人事件

 原作コミック9巻に収録されている本エピソードは、それまでの『名探偵コナン』においてはポンコツ探偵としての側面しか描かれてこなかった小五郎に初めてフォーカスを当てた事件だ。小五郎が大学時代に所属していた柔道部の同窓会のために温泉旅館へと足を運んだコナンたちだったが、小五郎の同窓生であり柔道部のマネージャーであった堀越由美が拳銃で頭を撃ち抜かれて死亡する事件が発生。自殺、もしくは外部犯かと思われたが、由美の死体や容疑者となった小五郎の友人たちのアリバイや言動にもまた不審な点があり……。

 このエピソードでは『名探偵コナン』では恒例の小五郎を麻酔銃で眠らせたコナンが推理ショーを披露する、いわゆる“眠りの小五郎”は封印され、小五郎よりも先に真実に辿り着いたコナンが小五郎をフォローしながらも小五郎自身が事件を解決する姿が印象的だ。自身の親友が何者かに殺され、その犯人もまた自身の親友だという小五郎にとっては辛い状況の中、だからこそ自分の手で事件を解決したいという小五郎の思いとそれを汲み取り尊重するコナンの姿。普段は小五郎をヘッポコと呼んでいるコナンが、探偵として小五郎と共鳴する貴重なシーンと言えるだろう。またエピソードの最後では真犯人ともみ合いになるシーンも描かれるが、そこで披露する一本背負いはその後のコミック本編や劇場版でも度々描かれる、小五郎の代名詞のような技となった。小五郎の探偵としての矜持、そして犯人と戦うための武力が初めて描かれた重要なエピソードだ。

②見えない容疑者

 上述した小五郎の同窓会殺人事件に引き続き、こちらも小五郎の学生時代の同級生が重要な鍵を握る原作コミック37巻収録のエピソード。テレビのミステリードラマの前説を依頼された小五郎。蘭やコナンと共に撮影現場へ訪れると、そこにいたのは元癒し系女優ナンバーワンの雨城瑠璃。彼女は小五郎の中学時代の同級生で、小五郎と別居中の妻である妃英理のことも知る存在。ふとしたキッカケで“眠りの小五郎”を披露するアクシデントもあったが、順調にドラマの撮影は進んでいく。そんな中、出演者のひとりが何者かによって殺害される事件が発生。第一発見者の瑠璃が疑われる中、コナンは真犯人を特定するものの、撮影中に“眠りの小五郎”を披露したことで既に麻酔銃のストックは切れていて……。

 このエピソードで特筆したい点は、小五郎がコナンよりも一歩上手の推理を披露した点だ。麻酔銃のストックが切れたことで本エピソードでも“眠りの小五郎”が封印されてしまう中、コナンによる多少のアシストこそあったものの殆ど自力で事件の真実に辿り着いただけでなく、コナンですら勘違いしていたとある2人の人物の関係性を小五郎は見事に言い当てたのだ。これはコナンには持ち得ない小五郎の人生経験があってこその推理であり、この豊富な人生経験こそ小五郎の魅力のひとつと言って良いだろう。

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