『まじっく快斗』連載再開なるか? 『名探偵コナン』『YAIBA』とのクロスオーバーを振り返る

『まじっく快斗』連載再開への期待

 漫画『まじっく快斗』連載再開への期待が高まっている。

 1月24日に『名探偵コナン』の公式X(旧Twitter)にてPostされたツイートには、「4月10日 零時、7年振りにあの連載が帰ってくる。」という文字と共に、『まじっく快斗』の主人公である怪盗キッドが主に予告状に使用するマークが描かれており、これが『まじっく快斗』連載再開を示唆しているのではないかと『コナン』ファンの間で話題を呼んでいるのだ。

 『まじっく快斗』と言えば、『名探偵コナン』においてコナンの宿敵である怪盗キッドが主人公のコメディミステリーだ。『コナン』の連載がスタートする7年前からスタートしたこの作品は、現在不定期で『週刊少年サンデー』に掲載されている。そんな『まじっく快斗』が最後に『サンデー』に掲載されたのは7年前の2017年。上述した7年振りという文言も『まじっく快斗』にピッタリ一致する。そんな連載再開が待ち望まれている『まじっく快斗』とはどんな作品なのか。本稿では『まじっく快斗』と『コナン』を対比させつつ、『まじっく快斗』の魅力を改めて振り返りたい。

 『コナン』における怪盗キッドは基本的に神出鬼没でキザな怪盗としてのキャラクターがクローズアップされているが、特に初期の『まじっく快斗』においては怪盗キッド=黒羽快斗の三枚目なコメディリリーフとしてとしての側面が強調されている。幼馴染の中森青子との軽快でユーモラスなやり取りはその後の『コナン』におけるラブコメ描写の原点を感じる。幼馴染であり恋仲でもある青子に正体を隠しながら怪盗キッドとして活動を続ける快斗の姿は、コナンが工藤新一という正体を隠しながら毛利蘭と生活を続け、難事件を解決し続ける様ともオーバーラップするだろう。

 『コナン』では見られないような設定・描写は『まじっく快斗』のポイントのひとつだろう。怪盗キッドの正体を知る数少ないキャラクターである小泉紅子は「赤魔術」の継承者で、いわゆる魔女。ルシュファーと呼ばれる邪神を呼び出す儀式など、紅子は『コナン』では描かれない『まじっく快斗』ならではの描写を生み出している。更にミステリアスな怪盗としてのキッドを描くことが多い『コナン』で見ることのできないキッド=黒羽快斗の学園生活は見逃せない。青子や紅子といった同級生と和気藹々とした日常を営む快斗の姿は怪盗とは思えない微笑ましさを感じる。また『まじっく快斗』ではキッド=黒羽快斗と両親との関係性が垣間見える瞬間も描かれている。例えばキッドの母親である黒羽千影は、以前怪盗淑女(ファントム・レディ)として、そしてキッドの父親である黒羽盗一は初代怪盗キッドとして活動していた。これは『コナン』においても示唆されている設定だが、『まじっく快斗』第5巻収録のエピソード『怪盗淑女の巻』では、千影と盗一の馴れ初めが描かれる。怪盗キッドというキャラクターをより深く知るためには外せない作品が『まじっく快斗』と言えるだろう。

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