大沢たかお、どんな漫画にも染まれる“白”の存在感 『キングダム』王騎将軍で見せた覚悟の肉体改造

大沢たかお、『キングダム』で証明した原作愛

『キングダム』王騎、『沈黙の艦隊』海江田四郎に共通するカリスマ性

 ところで、これだけ大沢たかおの肉体改造の話ばかりしておいてなんだが、王騎将軍を演じるに当たっては、ただデカければいいというわけではない。王騎将軍役にとって、その肉体以上に大事なもの。それは、溢れ出すカリスマ性だ。ただ静かに「全軍、前進」と唱えただけで、全兵士が大盛り上がりに沸き立つ、そんなカリスマ性だ。劣勢であっても、「皆の背には、常にこの王騎がついてますよ」と言うだけで、諦めかけていた兵士たちが再び奮起する、そんなカリスマ性だ。

 「この人についていきたい。この人のためなら死んでもいい」そう思わせるだけのカリスマ性が、大沢たかお演じる王騎将軍にはある。『沈黙の艦隊』(2023年)で演じた海江田四郎艦長も、同じ系譜に当たる。乗員76名をクーデターの道連れにしてしまえるだけの、強烈なカリスマ性がある。

 どうして大沢たかおは、それまでのパブリック・イメージとは真逆の、アクの強いカリスマを演じることが出来たのか。それは、どんな役を演じても、大沢たかおのイメージ・カラーが“白”だからだ(筆者の感想)。混じりっ気のない純白だからだ。何色に染まっても、役が終われば純白に戻る。だからこそ、病気で死んだ恋人を忘れられない青年にも、幕末にタイムスリップした医者にも、クーデターを起こす海上自衛官にも、古代中国の大将軍にもなれる。

 そんな大沢たかおの最新作は、9月26日公開『沈黙の艦隊 北極海大海戦』だ。王騎将軍を全うしたかと思えば、彼はまたもや海江田四郎に戻る。カリスマ色に染まった大沢たかおを、再び観ることができる。

参照

※1 https://hochi.news/articles/20250128-OHT1T51221.html?page=1
※2 https://mainichi.jp/articles/20240929/spp/sp0/006/454000c
※3 https://x.com/kinro_ntv/status/1811728462001926536

■リリース情報
『キングダム 大将軍の帰還』
3月12日(水)Blu-ray&DVDセット発売

Blu-ray&DVDセット プレミアム・エディション(3枚組):8,789円(税込)
Blu-ray&DVDセット 通常版(2枚組):5,280円(税込)

【映像特典】
<本編ディスク> ※通常版にも収録
・予告集
・TVスポット集

<ボーナス ディスク> ※Blu-ray
・メイキング
・山﨑賢人×大沢たかお×佐藤信介監督×松橋真三プロデューサー 座談会
「<一つの時代>を終えた信と王騎の物語 徹底総括SP!(スペシャル)」
・舞台挨拶映像:ワールドプレミア、前夜祭イベント、初日舞台挨拶
・ニューヨーク・アジアンフィルムフェスティバル
・「Beyond the SCENE TALK」映画『キングダム 大将軍の帰還』
・「Beyond the SCENE」映画『キングダム 大将軍の帰還』写真家 菊池修 インタビュー

【仕様・封入特典】
・特製ブックレット(40P)
・キャラクターブロマイドカード(6種)×特製カードケース
・原作イラスト ビジュアルカード(6種)
・特製デジトレイ&アウターケース

出演:山﨑賢人、吉沢亮、橋本環奈、清野菜名、山田裕貴、岡山天音、三浦貴大、新木優子、吉川晃司、髙嶋政宏、要潤、加藤雅也、高橋光臣、平山祐介、山本耕史、草刈正雄、長澤まさみ、玉木宏、佐藤浩市、小栗旬、大沢たかお
原作:原泰久「キングダム」(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
監督:佐藤信介
脚本:黒岩勉・原泰久
音楽:やまだ豊
主題歌:ONE OK ROCK 「Delusion:All」
発売協力:株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
発売・販売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング
©原泰久/集英社 ©2024映画「キングダム」製作委員会

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