『べらぼう』江戸研究家が注目したのはオープニング 「出版に関わる人間としていつも泣いてしまう見事さ」

吉原の正と負、両面を描く
蔦重が生まれ、出版活動の舞台となった吉原の描き方はかなり挑戦的で「正の面も、負の面も、全部を描こうとしていると感じます」と、櫻庭さん。いつもハラハラしながら見ているそうだが、同様の感想を持っている人も多いのではないだろうか。
「現在、ドラマの中では吉原を再興するために蔦重が突っ走っています。当時の江戸の人々にとって吉原はあって当たり前の存在で、江戸の粋、文化の粋が集まる場所だったのです。そういった正の面をちゃんと描いているし、負の面を描くことも忘れていません」
そして、今度のストーリー展開で大きな山になりそうなのが、オープニングでも表現された、松平定信の「寛政の改革」である。蔦重は風紀を乱す出版物を出しているとして警戒され、全幅の信頼を置いていた戯作者の山東京伝が手鎖50日の処分となるなど、弾圧を受けることになる。
史実では、蔦重はこれを機として浮世絵の出版に本格的に乗り出していくことになる。喜多川歌麿とタッグを組んで美人画を世に送り出し、再びヒットを連発していくのだが、いずれにせよ、未曽有の危機を蔦重はいかにして乗り越えていくのか、注目していきたい。
■放送情報
大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』
総合:毎週日曜20:00〜放送/翌週土曜13:05〜再放送
BS:毎週日曜18:00〜放送
BSP4K:毎週日曜12:15〜放送/毎週日曜18:00〜再放送
出演:横浜流星、小芝風花、渡辺謙、染谷将太、宮沢氷魚、片岡愛之助
語り:綾瀬はるか
脚本:森下佳子
音楽:ジョン・グラム
制作統括:藤並英樹
プロデューサー:石村将太、松田恭典
演出:大原拓、深川貴志
写真提供=NHK




















