【ラノベ最新動向】氷室冴子『銀の海 金の大地』シリーズ復刊へ! 『転スラ』最新巻はアニメと違った読み味に

【ラノベ最新動向】氷室冴子人気シリーズ復刊

 GA文庫大賞で初めて金賞と審査員特別賞をW受賞した結城弘『イマリさんは旅上戸』(GA文庫)。バリバリのキャリア女性で美人の今里マイは会社では冷徹な上司だが、酒に酔うと突発的に旅にでる”旅上戸”。その酒癖に付き合わされて連れ戻しに行く役を与えられた”俺”と、旅先での酔ったマイさんとの関係がだんだんと深まっていく。美人上司とのイチャイチャに旅行も絡んだ異色のラブコメディになっていそう。1月15日発売。

 第11回オーバーラップ文庫大賞・金賞受賞作の澤松那函『フェアリーメイド 1.傷だらけの妖精職人と壊れかけの人工妖精』(オーバーラップ文庫)は、人に奉仕する擬似生命の人工妖精(フェアリーメイド)が普及した社会で、時に暴走して人を害する人工妖精を壊す仕事をしている青年と、相棒の人工妖精が社会を揺るがす難事件に挑む。人間とアンドロイドがバディを組んで事件に挑む菊石ほまれ『ユア・フォルマ』シリーズと重なる読み味を期待できそうだ。

 『マスカレード・コンフィデンス』の滝浪酒利による『時間を止めてデレまくる、最強無敵の黒乃さん』(MF文庫J)はSF設定のラブコメ。時間を停止させる能力を持った異能エージェントで超絶美少女高校生の黒乃詩亜には、時間を止めて片思いの男子にデレまくる秘密があった。絶対に気付かれないと思っての行為だったが、実は意中の男子は停止中のできごとをすべて認識していた。バレたら赤面では済まないシチュエーションだけに、どのようなやりとりが繰り広げられるかに興味津々だ。

 『なんて素敵にジャパネスク』や『海がきこえる』など少女小説や青春小説の傑作を幾つも残して2008年に亡くなった氷室冴子の代表的ファンタジーシリーズ『銀の海 金の大地』が集英社オレンジ文庫から復刊。古代の日本を舞台に、14歳の少女・真秀が繰り広げる壮大な冒険の旅が描かれる。イラストにコバルト文庫版と同じ飯田晴子が起用されており、旧来のファンも新しく触れるファンタジー好きも共に楽しめそう。1月20日第1巻『銀の海 金の大地 1』(集英社オレンジ文庫)が発売で、以後毎月1冊刊行される。

 三上延、似鳥航一、紅玉いづき、近江泉美、杉井光、浅葉なつと豪華なメンバーが揃ったアンソロジー『神様の本』(メディアワークス文庫)が1月24日に登場。「神×本」というテーマでそれぞれ作品を寄せている。三上は『ビブリア古書堂の事件手帖』の栞子が、現存する最古の日本語訳聖書を追ってその謎を紐解く話で、浅葉は『神様の御用人』に登場の緒良彦が神と共に光源氏の最期を記したといわれる『源氏物語』幻の帖「雲隠」を求めて奔走する話。作家や作品のファンなら読んで損のない1冊だ。

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