「朝から泣ける」新作プリキュアはペット寿命がテーマ ファンに聞く、過去作と異なる「死」との向き合い方

新作プリキュア、今度は「犬」が主人公!? 

■ペットの死を扱ったストーリーに涙

  12月8日に放送されたテレビアニメ『わんだふるぷりきゅあ!』第44話「たくさんの幸せ」がペットの寿命というテーマを描き、SNSで大きな反響を呼んでいる。当日は、Xでは“ペットの死”や“寿命問題”がトレンド入りした。『プリキュア』の初代から継続して見ているという、『プリキュア』ファンのT氏も今回のストーリーに涙した一人であり、こう話す。

 「最近の『プリキュア』はメッセージ性のある内容が多く、時には感動して泣いてしまう時もありますね。なかでも、『わんだふるぷりきゅあ!』では動物と人間の関係について言及する内容が見られます。人間目線だけではなく、動物(ペット)目線の描写がたくさんあり、考えさせられることが多い作品だと思います」

  第44話は、主人公の犬飼いろはがお鶴の飼い犬・フクと出会うところから始まる。フクは高齢でドッグカートに乗っていたが、もうすぐ18歳の誕生日を迎えると聞き、いろはたちはパーティーを開催しようと思いつく。ところが、パーティーの当日にフクの体調が悪化。誕生日をお祝いされるものの、寿命が訪れてしまい、いろはやこむぎたちに見守られながら息を引き取ったのであった。

  また、作中ではお鶴の過去の思い出についても触れられた。お鶴はかつて、高校生の頃までに鈴という別の犬と一緒に暮らしていた。ところが、鈴が亡くなったことでお鶴はペットロスに陥る。そんなとき、お鶴が譲渡会で出会った保護犬がフクだった。以来、お鶴はフクと一緒に過ごしてきたのである。お鶴とフクの絆の描写に、朝から涙するファンが続出した。T氏もこのように語る。

 「プリキュアは子どもたちにとっては強くてかっこいいヒーローであり、憧れの存在です。そして、妖精さんの力でさらに強くなったりと、様々なことができます。しかし、大切なペットとのお別れ、“死”については、プリキュアや妖精さんの力でもどうすることはできなかった。こればかりはしっかり受け止めなければならない現実なんだ、と感じました」

  T氏は、『プリキュア』の作中では戦闘で壊れた建物が直ったりと、現実では起こりえないことが起きることに言及。それゆえに、死というテーマが非常にリアルに感じられたと指摘する。『わんだふるぷりきゅあ!』の根底に流れるテーマは“動物との絆”だが、その大切さを強く感じさせられたファンも多かったはずだ。第44話は、大切な家族であるペットとの別れはいつか必ず来てしまうことが実感され、併せて、命の尊さを考えさせられたストーリーだったといえる。

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