青梅と青海、上石神井と上井草、武蔵小山と武蔵小杉……“駅名間違い”から考える「時刻表」の有用性

駅名間違いから考える時刻表の有用性

記者人生で初めて駅名を間違える

 ゆりかもめの青海駅に行こうと思っていた人が、間違えてJR青梅線の青梅駅に行ってしまったというニュースはよく報じられる。青海駅はライブのメッカであったZepp Tokyoやヴィーナスフォートの最寄り駅であり、過去に間違えて青梅駅に行ってしまったアイドルが複数人いるようだ。

 確かに、青海と青梅はかなり字面が似ている。しかし、そんな間違いなんてよほどのことがなければやらないだろう……と思っていたが、筆者も先日、記者を始めて13年目にして初めて行き先を間違うミスを犯してしまった。

 アニメスタジオの取材のために西武新宿線の上石神井駅に行く予定だったが、間違えて上井草駅に行ってしまったのである。これまで、取材で鉄道は膨大な回数利用しているが、駅を降りてから間違いに気づいたのは人生初のことだ。

思い込みが間違いのもと?

 幸いにも隣同士の駅だったので予定には遅れずに済んだものの、改めて考えてみると、“上石神井”と“上井草”は似ていないようで、なんとなく似ている。ちなみに、西武新宿線には“下井草”駅も存在する。

 上井草駅といえばかつてはアニメスタジオのサンライズの最寄り駅であり、それにちなんで発車メロディが『機動戦士ガンダム』の主題歌「翔べ!ガンダム」が採用されている。さらに、駅の南口には堂々としたガンダムの像が設置されており、過去に下車したことは何度もある。

 そのせいで、アニメ=上井草駅、というイメージがなんとなく脳内に刷り込まれていたせいで、間違えてしまったことは否定できない。とにかく、こういった間違いは誰にでも起こり得るわけで、今後ミスをやらかさないように肝に銘じたいと思った。

スマホで検索するせいで間違い急増?

 行き先の間違いは、スマホに頼るようになってから余計に急増したという説がある。かつては「JTB 時刻表」などにある地図の索引を活用して、行き先を調べることが多かった。しかし、スマホでただ駅名を入力するだけだと、その駅がどこにあるのか、位置関係がわかりにくい。

紙の時刻表の定番「JTB 時刻表」の巻頭ページには、全国の地図が掲載され、地図上から行き先を検索できるようになっている。
西武鉄道に特化した時刻表もある。「西武時刻表 第33号2024年3月16日ダイヤ改正号」は、西武鉄道が発行しており、鉄道の書籍に強い「書泉」などで販売されている。

 そもそも、よほどの鉄道ファンや地理のマニアでもなければ、47都道府県がどこにあるか正確に把握できていない人は多いのではないだろうか。ましてや、駅の名前を聞いて、だいたいこの県だろうなとイメージできる人は何人いるだろうか。

 東京メトロの霞ケ関駅と東武東上線の霞ヶ関駅、東急電鉄目黒線の武蔵小山とJR・東急電鉄の武蔵小杉などは頻繁に間違われる駅の定番である。日常的に使っている人にとっては当たり前でも、特に自動車が主たる移動手段である地方出身者にとってはそもそも電車を乗り継いで目的地に行くこと自体、ハードルが高い行動だったりするものだ。

 ちなみに、先に紹介した青梅駅と青海駅を間違い、青梅駅から青海駅に向かうとなると約1時間50分かかるため、洒落にならない事態になる。検索アプリを使う際は入力ミスにくれぐれも気をつけてほしい。

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