人気アイドル、「青梅駅」を「青海駅」と間違いライブ欠席……直線距離50kmのミスはなぜ起きた?

■あり得ない行き間違いが起きる理由

 
どこへいくにもスマホが欠かせない現代にとって、あり得ないミスは起きやすくなっている? muhammad irfan(unsplash)

■青海と青梅を間違う

  青海駅に行くつもりが青梅駅に行ってしまった――これは、ネットで特に有名な行き先の間違いの例である。青海駅はゆりかもめの駅だが、青梅駅はJR青梅線の駅である。直線距離にして約50km離れている。同じ東京都内の駅とはいえ、駅から見える風景や道中の車窓もまったく違うのだが、土地勘のない人にとってはわからない。

  漢字の読み方も地味に難しい。青海は「あおみ」であり、青梅は「おうめ」と読む(なお、えちごトキめき鉄道日本海ひすいラインにも青海駅があり、こちらは「おうみ」と読む)。青海と青梅。字面も似ているし、読み方も違う。何も知らずに、青海を一発で「あおみ」と読めるだろうか。「あおうみ」と読んでしまう人もはずである。

  こうした字面が似ていて、読み方がちょっと難解な駅名はスマホの入力で間違えることも多く、行き先間違いに繋がりやすいというわけである。スマホの予測変換のせいで誤入力しやすいという意見もある。

■アイドルも間違ってしまう

 ではなぜ、青海と青梅の間違いが頻発するのか。それは、青海駅がコンサートによく使われるZepp Tokyoの最寄り駅であるためだ。そのため、土地勘のないアイドルや歌手のファンが間違って青梅駅に行ってしまう例が相次いでいるのである。

  そして、コンサートに出演するアイドルまでもが、行き先を間違う例が続出しているのだ。調べてみると、2016年に「R-Village Girls」のMEIが、2018年に「全力少女R」の佐藤絵里香が青梅駅に向かっている。ちなみに、佐藤の姉は元AKB48の佐藤由加理だが、なんと姉もAKB時代に同じミスをやらかしてしまったのだという。

  そして、もっとも有名になったのは「HIGHSPIRITS」の小室あいかであろう。ライブ開始に間に合わなかったハプニングはネット上で大いに拡散され、話題になった。小室と佐藤の2人はその後、「タモリ倶楽部」に出演。青海と青海を間違った経緯を語っているが、やはり、行ったことがない駅であれば、車窓を見たところで違和感を抱きにくいようである。

■誰でもやり得るミス

  こういったハプニングが報じられると、「間違うはずがない」「おかしい」というコメントが相次ぐが、はっきり言って誰でもやってしまう可能性があるミスである。都道府県の位置はもちろん、駅名を誰もが正確に覚えているわけではないのだから。おそらく、こういった行き間違いは水面下で多数起きていると思われる。

  ただ、間違えても東京都内の駅同士での間違ならなんとかなるかもしれないが、埼玉県の大宮駅と京都府の大宮駅を間違えて、まったく異なる地方に行ってしまったら大変なことになる。くれぐれも、スマホの検索を過信しないようにしたいものだ。

  時刻表の定番「JTB時刻表」には、毎号必ず、索引を兼ねた全国の鉄道の路線図が掲載されている。この路線図はスマホで眺めるよりもわかりやすいし、駅の位置関係を把握する上では断然便利である。

『JTB時刻表』

  かつてはオフィスに紙の時刻表を常備している企業は多かったが、最近は少なくなりつつある。デジタルの時代だからこそ、紙ならではのメリットを見直してみてはいかがだろうか。

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