好調出版社『アルファポリス』 ベストセラー連発の生え抜き編集者・滝澤友梨に聞く、ヒット量産の秘訣は?
■女性向けファンタジーは10万部超え連発
――滝澤さんが担当する作品のジャンルは、いわゆる“女性向けファンタジー”です。
滝澤:女性向けファンタジーは、漫画プラットフォームを見ていただくとわかりますが、現在、人気が上がってきているジャンルです。男性向けもファンタジー系が人気ですが、特に女性向けは、恋愛要素が入っているもののほうが人気が高いですね。
――電子書籍のランキングの上位には、ファンタジーものが多数入っています。ここまでの人気を得ているのはなぜでしょうか。
滝澤:異世界ファンタジーは基本的にハッピーエンドですし、主人公が最初からある程度愛されている状態です。読んでいて心地よいシチュエーションが多いので、人気なのかもしれません。また、仕事や育児、家事など日々の生活で忙しくされている方は、漫画を読んで一息つきたいとか、楽しい気持ちになりたいというポジティブな思いを求めて読んでいる方もいます。
――あまり部数は注目されることがありませんが、女性向けファンタジーは10万部超えのヒットが出ていると聞きます。
滝澤:10万部超えはざらにありますね。私が担当している『最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか』『華麗に離縁してみせますわ!』『転生侯爵令嬢奮闘記-わたし、立派にざまぁされてみせます!』は、1巻だけで10万部を超えています。最近出た『私が死んで満足ですか?』(あばたも/漫画、マチバリ/原作)も2巻が出る頃には5~8万部超えは確実な状況です。
――それは、紙と電子を合計した部数ですか。
滝澤:そうですね。そして、圧倒的に電子が売れています。割合は紙:電子=2:8、もしくは3:7くらいの比率のものもあります。