19万円超での購入者も! 等身大のアクリルスタンド、漫画・アニメファンからなぜ人気?
■等身大アクスタが続々登場
等身大のアクリルスタンド、通称“等身大アクスタ”が漫画・アニメファンの間で話題になっている。人気コンテンツ『プリパラ』の10周年を記念して開催されている「大プリパラ展 10年たっても、み~んなトモダチ!み~んなアイドル!」では、真中らぁらをはじめ主要なキャラクターの等身大アクスタが登場した。受注生産で販売価格は19万8000円と高価であるが、SNSには予約したという報告がUPされるなど人気が高まっているようだ。
ネットで検索してみると、『進撃の巨人』や『五等分の花嫁』など、やはり人気の高いコンテンツで次々に発売されている。筆者の周りには等身大アクスタを所有している人はいないが、ショップなどで実物を見ると相当な迫力があったし、ネット上でオーナーの声を拾ってみると、満足度はかなり高いようだ。
アクスタは、今や推し活の必携アイテムである。『ラブライブ!サンシャイン!!』の聖地である静岡県沼津市を訪問すれば、アクスタと一緒に写真を撮るファンの姿を見ることができる。市内にある「つじ写真館」では、「推しと旅する写真展2024」と題し、お気に入りの“推し”のアクスタなどと一緒に沼津の風景を撮影する写真コンテストを開催しているほどだ。
■アクスタは最強のグッズ
新旧あらゆるアニメや漫画、さらにアイドルから芸能人、最近では仏像まで――とにかく様々なアクスタが発売されている。年齢を問わず楽しむことができるアクスタは最高の推し活グッズと言っていい。そして、等身大アクスタはその極みと言っていいだろう。いったいなぜ、ここまで爆発的に普及したのだろうか。大手出版社の編集者A氏がこう話す。
「一昔前のアニメファンであれば、等身大フィギュアを思い浮かべる人もいるかもしれませんね。しかし、等身大フィギュアは製作に当たって原型を作る必要もあって、製造ラインも複雑で、企画を立ててから発売まで半年~1年もの時間がかかるんです。アクスタは印刷や加工の技術が進化したことで可能になったグッズです。フィギュアと比べると製作にかかる時間もコストも抑えられ、少ない点数から製造できるのも強みといえます」
A氏によれば、今や同人誌のグッズ製作所でもアクスタの製作を請け負っているとのことである。実際、このたびのコミケでもアクスタを頒布する同人サークルはいくつもあり、定番グッズとして定着しつつあるようだ。
■SNS映えするのも魅力のひとつ
ファンにとっても、アクスタは何かとありがたい存在なのだという。例えば、フィギュアはパーツをなくしやすい(筆者もよくなくす)が、アクスタならその心配もないし、持ち運びにも便利だ。旅先に持っていけば推しと一緒に写真を撮れるし、何かとSNS映えする。こうした点が爆発的に普及した要因であろう。さきの編集者A氏はこうも語る。
「以前からあった厚手の紙を使った“等身大パネル”も根強い需要があります。アニメの舞台になった聖地ではよく見かけますし、アニメや漫画の展覧会では記念撮影スポットなどでおなじみの存在ですね。ぬいぐるみやフィギュアは立体化された三次元的なキャラを楽しめますが、対するアクスタやパネルは二次元的な魅力を堪能できるという点で、普遍的なアイテムといえそうです」
それにしても、等身大アクスタはそのインパクトの大きさゆえに、飾るにはセンスが必要そうだ。お迎えしたファンがどのように飾るのか、気になるところである。