あのちゃんが推す! 衣装デザイナー・MIYANISHIYAMA 意外すぎるキャリアとカワイイ服作りの極意を聞いた

■依頼殺到、最注目の衣装デザイナー・MIYANISHIYAMA

MIYANISHIYAMA『TEN #衣装 #アイドル #カワイイ #MIYANISHIYAMA』(玄光社)

  あの、FRUITS ZIPPER、降幡愛など、人気アーティストの衣装を制作している注目の衣装デザイナー・MIYANISHIYAMA(以下、MIYA)氏の書籍『TEN #衣装 #アイドル #カワイイ #MIYANISHIYAMA』が玄光社から刊行された。

 MIYA氏が制作する衣装といえば、一目でそれとわかるボリューム感、色彩感覚、そして唯一無二といえる素材の選び方にあるだろう。そんなデザインが活きるよう、誌面は華やかな構成になっており、浴びるように作品を堪能することができるのだ。

 MIYA氏が以前から交流を含めてきたというあのが表紙を飾り、誌面にはこれまでMIYA氏が手がけた衣装を着たアーティストの写真がずらりと並ぶ。10周年のメモリアルにふさわしい、アイドルファンからデザイナーまで必携の一冊に仕上がっている。

 そんなMIYA氏にこのたび、独占インタビューを敢行。意外過ぎるデビューのきっかけ、そして衣装制作に真摯に向き合う姿を明らかにしてみた。

■意外過ぎるデビューのきっかけ

MIYANISHIYAMAの10周年メモリアル本『TEN #衣装 #アイドル #カワイイ #MIYANISHIYAMA』(玄光社)のあのがモデルとなった中面

――MIYAさんが2014年にご自身のブランドを立ち上げてから今年で10周年ということで、これまでの作品をまとめた本が出ました。本を手に取って、最初に抱いた感想を教えてください。

MIYA:最初は本が出るという実感がなかったのですが、発売されてから、じわじわと実感してきました。本になる前に色校で見せていただいたときは感動しましたね。いつもは画像をiPhoneなどの画面で見ることが多いので、紙になるのっていいな、と素直に感じました。一冊にまとめると結構濃いですね。あと、あまり意識していなかったのですが、全体で見ると衣装に結構な色数を使っているんだなと思いました。

――そもそも、衣装デザイナーとはどんなお仕事なのでしょうか。

MIYA:私の場合はちょっとイレギュラーなケースかもしれません。というのも、私はひょんなことから衣装デザイナーの仕事を始めているのです。衣装デザイナーの正規のルートといえば、まずは服飾の学校に行って、どこかの会社や師匠につき、その後に独立する流れだと思います。私の場合、全然違う仕事をしている中でもらった仕事が、たまたま衣装を作る仕事だったのです。しかも、服を作ったことがない状態受で引き受けました。

――ええっ、そんなことがあるんですか。衣装デザイナーになる前は、服飾系の仕事をされていたのですか。

MIYA:台湾のコーディネーターの仕事をしていました。台湾に行く企業や行政の方に通訳を手配したり、台湾に関するイベントを開催したりする仕事です。その前はアパレルの会社にいたのですが、作る側ではなく販売側でしたので、特に今の仕事とは関係がなかったですね。

――そこからいったいなぜ、衣装を作る仕事を手掛けることになったのでしょう。

MIYA:台湾の仕事のクライアントと話しているとき、広島カープの始球式の衣装を作る人がいなくて困っている、と言われました。当時の私は髪の色が赤かったんです。髪の色から服飾の学校出身だと思われたらしく、「知り合いに衣装を作れる人、いない?」と聞かれたのです。始球式の衣装なんて面白いじゃないですか。だから、思わず「私、やれます」と言ってしまったんですよ(笑)。

――なんと! できると言ったことで、運命が変わったわけですね。

MIYA:そうですね。当時は仕事に飽きていたので、一生懸命やってしまったんですよ。その次はバンドの衣装を4着作ってと言われた、また、いいよと言って取り組みました。後日、新宿のギャラリーでその衣装の展示が行われたのですが、それを見た雑誌の編集さんから「特集を組ませてほしい」と連絡があり、急いでブランド名を決めた感じです。

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