『SLAM DUNK』から『ハイキュー!!』まで、パリ五輪に漫画家も大興奮 名作とともに激闘を振り返る

 熱狂の内に幕を閉じた2024年パリオリンピック。様々な競技で日本の代表選手たちがひたむきな姿を見せてくれた。時には疑惑の判定もあり素直に結果を飲み込むことが難しい場面もあったが、それでも4年に1度の大舞台で世界と堂々と渡り合ったアスリートたちには尊敬と感謝の気持ちしかない。その思いは世に名作スポーツ漫画を生み出した漫画家も同じようだ。

 本記事ではパリオリンピックの選手たちの活躍に触れた漫画家のXでの投稿を紹介しつつ、激闘の結果を振り返っていきたい。

日本バスケが最も世界に近づいた日

 まずは名作バスケットボール漫画『SLAM DUNK』の作者、井上雄彦先生がバスケットボール男子日本代表の活躍に触れたこちらのポストだ。

 世界ランク9位、格上でしかも開催国のフランス。完全アウェイの状況でも一歩も引かずに立ち向かった日本代表。最終第4クオーターでは終盤リードするシーンもあり、誰もが日本のジャイアントキリングを期待したことだろう。

 大型のフランス選手を相手に圧倒的なスピードで翻弄するドリブルを見せたPG、172cmの河村勇輝選手の姿が『SLAM DUNK』の宮城リョータにダブって見えた方も多いのではないだろうか。ちなみに宮城の身長は168cmだ。

 最後は延長の末悔しい逆転負けとなったが、日本バスケが世界のトップとも互角に戦えるということを十二分に見せつけてくれた、時代の転換点とも言える瞬間だったと言えるだろう。『SLAM DUNK』の湘北VS山王戦を読み返したくなるような心震える一戦だった。歴史が変わる瞬間は4年後に取っておこう。

 また、「水球」をテーマにした作品『みずぽろ』の作画担当の水口尚樹先生はパリオリンピックでの水球日本代表の活躍に度々Xで発信をされている。選手1人1人の特徴を捉えた応援イラストも印象的だ。

 ポセイドンジャパンと呼ばれる水球日本代表は、4連敗の後迎えたリーグ最終戦のオーストラリア戦で見事な逆転勝ちを収めるなど成長を見せている。

 『みずぽろ』は高校から水球に触れ、水球部に入部して互いに切磋琢磨する信濃と山城の長身コンビの絶妙な掛け合いが楽しい作品だ。また多くの読者にとって触れる機会が少なかったであろう「水球」というスポーツの魅力を初見の読者にも分かりやすく伝えてくれる作品だ。マイナースポーツにも光が当たるオリンピックをきっかけに読み始めることをオススメしたい。

 さらには柔道日本代表選手達を描いた応援イラストで多くの反響を集めた『もういっぽん!』の作者、村岡ユウ先生のポストも印象的だ。

 奮闘した柔道日本代表選手達の連日の活躍に感動したことを自身のXで発信されている村岡先生。個人競技である柔道だが、個性豊かな女子高校生柔道部員達が壁にぶつかりながらも成長していく『もういっぽん!』でも描かれるように、チームとして一致団結して団体戦を戦う姿が本大会ではとても印象的だった。

 団体戦決勝戦で開催国フランス相手に、時には階級が上の選手との戦いとなっても怯むことなく戦ってくれた日本代表選手達の姿には大きな拍手を送りたい。

 勝負の世界である以上、勝者がいれば敗者も存在する。1対1の競技だからこそ、そのプレッシャーを1人で受け止めなければいけない難しさもあったことだろう。それでも日本発祥の国技「柔道」の素晴らしさを強く感じられた大会であったことは紛れもない事実だ。

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