ちゃんみなオーディション『NoNoGirls』発のHANAが『ViVi』表紙に 自己肯定する姿が共感されるワケ

ラッパー・シンガーのちゃんみながプロデューサーを務めるBMSGのオーディション番組『No No Girls』から生まれた7人組ガールズグループ・HANAが3月22日に発売された人気ファッション誌『ViVi』(講談社)特別版で初めて雑誌の表紙を飾った。1月11日にKアリーナ横浜で行われたオーディション最終審査『No No Girls THE FINAL』で結成され、約2か月でXのフォロワー数23万人、公式YouTubeチャンネルの登録者数47万人を超える「脅威の新人」であるHANA。4月2日のメジャーデビューを前に同誌の表紙を飾ったことで、ファンだけではなく大きな話題を振りまいている。
今回、HANAは表紙だけでなく、6ページのインタビュー特集「HANA Hope in Bloom 希望を咲かせて」に登場。特集記事では、「努力を重ねて実力を掴み取り、“No”から解き放たれた姿は、まさに希望そのもの。夢を叶えて咲き誇る7人と新しい時代へ」という編集部の想いが込められているそうで、メンバーそれぞれの持つ強さが伝わるものとなった。
クロストークにより今後の活動への思いなどが語られる中、印象的だったのは番組でも語られていた、これまで受けてきた「No」を否定/肯定する姿だ。
たとえば、メンバーのCHIKAは過去に受けた別のオーディションで、「見た目」「体重」を理由に落選した苦い経験を明かしており、抜群の歌唱力を持ちながらもそれが自信のなさに繋がっていると語っている。プロデューサーのちゃんみなは同じく容姿への中傷や賛美に苦しんだ経験があることで、彼女に過去の自分を重ね合わせ、最終ソロ審査で自身の楽曲「美人」を歌うようにアドバイスをする。そして審査当日、そうした「No」を跳ね除けるようにラップに叫びを混ぜて歌い上げたCHIKAの「美人」に会場は大盛り上がり。涙をおさえる観客の姿もカメラに映された。
それぞれが声や見た目のコンプレックスを持ちながらも、自身を鼓舞することで新たな自分を見つけたHANAのメンバーたち。同誌のインタビューで「見た目とか、年齢とか、そんなことで他者を否定することがなくなって、それぞれが個性を認め合う世の中になってほしい」(MAHINA)、「世界中の“No”という概念をなくすことがHANAのゴール」(MOMOKA)と語るなど、苦悩を知る彼女たちだからこその発言が光る。
HANAのプレデビュー曲『Drop』は、オーディション中に課題曲として制作された音楽プロデューサー・JIGGのトラックによる強いビートが効いたHIPHOP曲。ラップグループが女性ファッション誌の表紙を飾るイメージはつきにくかったが、コンプレックスや社会の固定観念に立ち向かい、自己肯定をテーマとする彼女たちだからこそ、音楽だけでなくビジュアル面でも新たな風を吹き込む存在となっているのだろう。