「ヒーローの重大さを実感」俳優・葉山侑樹『ブンブンジャー』の撮影で学んだスタッフへの感謝とリスペクト

2024年から1年間を通じて放送されたスーパー戦隊シリーズ『爆上戦隊ブンブンジャー』(テレビ朝日系)でブンブルー・鳴田射士郎を演じ、注目を集める俳優・葉山侑樹。彼にとって初となる写真集「葉山侑樹 1st写真集 蒼穹(そうきゅう)」)』が、3月14日に発売された。

歴史あるスーパー戦隊シリーズに出演し、ヒーローショーで視聴者の子どもたちの声援を耳にしたことは俳優としての意識を大きく変えたという。今回のインタビューでは『爆上戦隊ブンブンジャー』(以下、『ブンブンジャー』)の撮影を通して変化した俳優観、その経験を経て大きく成長した自身の姿が収められた写真集について語った。
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戦隊シリーズの撮影で得たもの
ーー子ども向けの特撮作品に出演されると「子どもたちが見ているからこそ、この役を一生背負っていかなければならない」という意識を持つようになった、とお話しされる俳優の方々が多い印象があります。葉山さんはヒーローを演じられて、その点はどのように意識していましたか?
葉山侑樹(以下、葉山):役が決まったときは、あまり意識していませんでした。正直にいえば、その頃は自分がヒーローになることの重大さ……というか、その意味を理解していなかったんです。
作品が放送されるようになると街中で声をかけていただくことが増えたのですが、僕の名前ではなく「シャーシロー!」と(ブンブンジャーの)役名で声をかけていただくようになったんです。ヒーローショーに出演させていただいた時も、子どもたちが「頑張れー!」と声援をくれました。僕も子どもの頃は戦隊ものが大好きだったので、そんな子どもたちの姿を見て、『昔の自分も、きっとこうだったんだろうな』と感じました。その声を聞くことで「今、子供たちにとって自分は『葉山侑樹』じゃなくて、『シャーシロ』なんだな」と、ヒーローであることの重大さを実感しました。
ーーそういった責任感を持つこと、また1年間で同じ作品を制作していくことで、仕事観は変化しましたか?
葉山:成長を実感したことで言えば、制作部のスタッフの皆さん、撮影以外でも現場に関わるすべてのスタッフさんに、感謝の気持ちやリスペクトを持つことの意味をしっかりと知ることができた一年でした。
たとえば、ロケに行ってお水が用意してあるのは当たり前じゃないし、お弁当だってお昼になれば並んでるけれど、それはスタッフの方々が用意してくださっているからあるわけで。撮影のためのロケ地だって、僕ひとりでは何も調べることができない。スタッフさんに感謝すること、そしてリスペクトを持って仕事をしていくことがどれだけ大事なことなのか。お芝居の技術とかではなく、それをしっかり理解できたことが自分にとって大きな学びでした。

ーー改めて学ばれたと。
葉山:そうですね。より引き締まった気持ちで撮影に臨むようになりました。たとえば、NGテイクは簡単に出していいものじゃないということを強く意識するようになり、一発目で良いカットが撮れるように集中するようになったり…。
ーー撮影現場では、何度もテイクを重ねて良いシーンを撮っていく、というイメージを持っていたので意外でした。葉山:もちろんそういうシーンもありますが、基本的に撮影現場では時間が限られているので、一つ一つのシーンに時間をかけすぎるわけにはいかないんです。特に、自分ひとりだけのシーンなら最初の一回でいいものを出せるならそれに越したことはない。NGを出すたびに照明さんが動かなくてはいけないし、カメラマンさんも画角を調整してくださる。どのようにスタッフの皆さんが動いているのかを知ることで、NGは簡単に出してはいけないという意識を持って、現場に臨むようになりました。
ーーそういうことを意識するようになるということは、『ブンブンジャー』の撮影現場は、スタッフの方々の動きが見えやすい現場だったのでしょうか。
葉山:スタッフさんの動きがよく見える環境だったということもありますが、僕の場合は、先輩の役者の方々が直接教えていただいたことが大きいです。『ブンブンジャー』ではキャストの中でも僕は年下だったこともあり、先輩方から色んなことを教えてもらいました。もちろん以前からスタッフさんが動いてくださっていることは分かっていたつもりでしたが、「すべては当たり前じゃないんだよ」と言葉にして伝えてくださったことで、実際にどのように当たり前ではないのかということを分かるようになりました。