『響け!ユーフォニアム』 最終話、京アニファン涙の理由ーー観客席にいた今は亡きアニメーターの存在?
■亡くなったスタッフが観客席に
2024年6月30日に放送が終了した『響け!ユーフォニアム3』の最終話「つながるメロディ」に、京都アニメーション放火殺人事件で亡くなったアニメーターの姿が描かれているのではないかと、話題になっている。きっかけは、黄前久美子役の黒沢ともよがXを更新し、こんなポストをしていたことであった。
絵の中に、みんなちゃんといた。
キャラクターもクリエイターもみんないた!
ああ、嬉しい。
空の上まで響いてるかなぁ
届け〜
絵の中に、みんなちゃんといた。
キャラクターもクリエイターもみんないた!
ああ、嬉しい。
空の上まで響いてるかなぁ
届け〜(ともよ)#ユーフォ3期
— 黒沢ともよ official (@TomoyoKurosawa) June 30, 2024
この“クリエイター”という言葉に、多くのファンが反応。北宇治高校が金賞を受賞した瞬間、観客席にいる人物が、『響け!ユーフォニアム』のキャラクターデザインを務めた池田晶子や、『氷菓』『Free!』などのキャラクターデザインの西屋太志、京アニ躍進の原動力となったアニメーターの木上益治など、放火事件で亡くなったスタッフに似ていると判明した。
こうした京アニの演出に対し、ファンは「絶対届いている」「涙腺崩壊した」「涙が止まらない」などのコメントを寄せていた。
■全キャラのデザインを務めた池田晶子
池田晶子は大ヒット作『涼宮ハルヒの憂鬱』でキャラクターデザインを務めた、京アニを代表するアニメーターの一人であった。2015年から始まった『響け!ユーフォニアム』では第1期からキャラクターデザインを務め、吹奏楽部員全員をはじめ、すべてのキャラクターをデザインし、ファンから高い評価を受けていた。
2019年6月1日には第3期が発表され、池田はイラストを描き下ろしている。同年、京アニが開催するイベントでは池田のサイン会も予定されていた。しかし、その1ヶ月後、7月18日に起こった放火殺人事件に巻き込まれ、命を落としてしまった。第3期のキャラデザは池田晶子の意志を受け継ぎ、池田和美が担当している(スタッフとして2人の名前がクレジットされている)。
今回の金賞受賞の場面は、第3期の完成を見ることなく亡くなったスタッフへの想いが込められた、見事な演出ということができるだろう。5年という歳月はかかったものの、思いがしっかり繋がって作品が完結を迎えたことを喜びたい。