『鬼滅の刃』“職務としての鬼狩り”に従事した3人の「柱」が炭治郎に伝えたものとは?

『鬼滅の刃』職務として従事した3人の「柱」

竈門炭治郎に受け継がれた煉獄たちの教え

 ちなみに、原作コミックの第137 話において、産屋敷耀哉は宿敵・鬼舞辻無惨(鬼の始祖)に向かって、「大切な人の命を理不尽に奪った者を許さないという想いは永遠だ 君は誰にも許されていない」といっており、この言葉から、彼が“憎しみの感情が生み出す強さ”をある程度は認めているということがわかるだろう。

 だが、それだけでは巨大な悪に打ち勝つことはできないということも、彼は理解していた。だからこそ、前述の煉獄、宇髄、甘露寺のような陽性の柱たちを、暗い過去を持つ陰性の柱たちと組ませたのではあるまいか。

 そしてその産屋敷の判断は、9人の柱たちの“希望”の象徴ともいえる、主人公・竈門炭治郎の成長にも深く関わっている。

 なぜならば、かつて鬼舞辻無惨に母や弟たちを殺された炭治郎は、どちらかといえば、暗い感情に突き動かされる側の剣士だった。しかし、「刀鍛冶の里」において妹・禰豆子が見せた命がけの“決断”や、煉獄、宇髄、甘露寺らとの共闘が、彼を変えたのだ。

 そう、“強き者は弱き者を助けるべし”という3人の柱たち――とりわけ煉獄杏寿郎――の教えは、炭治郎の中でしだいに大きな意味を持つようになり、それが、結果的に千年にも渡る長き戦いに決着をつける原動力になった、といえなくもないのである。

※「煉獄」の「れん」は「火+東」、「鬼舞辻」の「つじ」は一点しんにょう、「禰豆子」の「ね」は「ネ+爾」が正式表記

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