人気漫画家・洋介犬に聞く クリエイターサポートをなぜ開設「昭和の根性論が漫画界に蔓延している」

■漫画家を取り巻く環境の変化

クリエイターサポートのマスコット

――漫画家を取り巻く環境は以前と変わってきています。そういった現状は、漫画界はもちろん、出版界、そしてマスコミも把握できていないように思います。

洋介犬:漫画は、紙に描かれた線の集合体にすぎないかもしれません。こうしたある意味シンプルではある漫画が、技術的には高度化し、社会的にも大きい利益を生む媒体となりました。社会的に価値を認められたのは嬉しいですが、それを生み出すクリエイター側への理解やケアが、追いついていないのかなと感じる瞬間があります。クリエイターには当然、人権も心もあることを、自他ともに忘れてはいけないのではないでしょうか。

――今回の窓口は、若手の方が中心となって結成されたように思います。やはり、ベテランと若手では漫画業界に対する問題意識も違うと思いますか。

洋介犬:やはり、ベテランと若手では余裕や経験則において、差が出やすいというのはあるようです。駆け出しだったり、ヒット作を抱えていない漫画家は、やはり不安や自己嫌悪、焦燥を抱えやすく、病みやすい傾向にあるようです。それを、我々のみならず業界全体が共感を持って臨めるようにはしたいですね。

――最後に、悩みを抱えている漫画家の方々に向けてメッセージを。

洋介犬:この世界には「たった一言で救える心と命」がたくさんあります。その一言を拾いに来てください。その小石を探す作業をお手伝いできればと、我々は思っております。どうか、ひとりで考えすぎないでくださいね。

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