【漫画】会社を辞めさせてくれる「退職代行」あなたは利用したい? 辞めたい理由盛り沢山のSNS漫画が熱い
自身も退職したかった
――まず『退職代行ヘビーユーザーゆかり』を制作した背景を教えてください。
かろてん:当時はものすごく退職したかったのですが、その勇気もなく「誰かに辞めさせてほしい」と思っていました。そこで“仕事を辞めさせること”を生業とするキャラを作り、そのキャラに作中で成長してもらい、最終的に私も辞めさせてもらおうと思ったことがキッカケです。
――どのように設定やストーリーを作っていったのですか?
かろてん:設定自体は“死神”から着想を得ました。「命の代わりに職を奪う死神がいてもいいかな」と思ったのかもしれません。そんな死神が問答無用でバッサバッサと人の職を奪っていく。死神は恨まれるかもしれないし、死神に救われる人もいるかもしれない。「そんな世界があったら良いな」と思いながらストーリーを膨らませていきました。
――「エース」という言葉に簡単に高揚するなど、ゆかりの単純な性格が面白かったです。同時に「調子に乗りやすい=調子にいくらでも左右される」と言える部分もあるため、ゆかりがすぐに仕事を辞めてしまう理由も何となく頷けました。
かろてん:まずゆかりの性格は「働きたくない」という気持ちを詰め込んでいるうちに出来上がっていきました。具体的には「仕事をすぐ辞める人ってどんな人なんだろう」と考え、「ストレスに弱くて自己愛が強い子かもしれない」と思ってそのまま描いたらあんな性格の人になってしまいました。
――急なバトル展開に驚愕する声がSNSで散見されました。
かろてん:気がついたらバトルが始まっていました。「なんとかして辞めさせたい」「絶対に辞めたくない」という互いの強い気持ちがぶつかった結果、バトルが始まったのだと思っています。
――続きが気になる終わり方でした。続編の予定はあるのですか?
かろてん:続編の制作していません。ただ、とても好きな作品なので、リメイクして読み切りを制作するなど、連載を再開させたいとは考えています。
――最後にこれからの漫画制作における展望を教えてください。
かろてん:『退職代行ヘビーユーザーゆかり』の後に描いた『退職バトル』という作品で「ヤンマガ×DAYS NEO ネームで即デビュー!」の佳作を受賞でき、担当編集がつきました。今は商業漫画家を目指して、新しい読み切り漫画の原稿を描いています。直近の目標は新人賞を取ること、少し先の目標は「読んだ人が全員退職してしまうような漫画」を商業で連載して、失業率をグッと上げることです。待っていてください。