『名探偵コナン』に『ドラゴンボール』『ダイヤモンドの功罪』も……過去作品のキャラクターが活躍する漫画が熱い
4月12日に公開を控える映画『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』は、怪盗キッドが注目される回となる。怪盗キッドはもともと青山剛昌先生の別漫画『まじっく快斗』の登場人物であり、同漫画からはほかにも警視庁の中森警部や高校生探偵・白馬探、黒羽盗一らが『名探偵コナン』への出演を果たしている。
このように、ある作品のキャラクターがもとの設定を保ったまま別の作品に参加する、”クロスオーバー”の手法を採用している漫画は多数存在している。出会うはずのなかったキャラクター同士の対決や共闘、友情を育む姿は、両作品を知るファンにとってまさにご褒美だ。本稿では、過去作品のキャラクターが活躍する漫画を、名作から話題作まで振り返っていきたい。
名作同士のコラボ<『ドラゴンボール』(『Dr.スランプ』則巻アラレほか)
バトル漫画の金字塔『ドラゴンボール』では、鳥山明先生のもうひとつの代表作『Dr.スランプ』とのコラボが見られる。描かれたのは7巻 其之八十一「追ってペンギン村!」から其之八十三「奪われたドラゴンレーダー」。則巻アラレをはじめ、則巻ガジラ、則巻千兵衛、木緑あかね、空豆ピースケ、オボッチャマンなどオールスターが勢ぞろい。中には『ドラゴンボール』に出演したいがためにわざとらしく登場するキャラクターもおり、ギャグ漫画である『Dr.スランプ』ならではのユーモアが感じられた。
レッドリボン軍のブルー将軍を追いかけペンギン村に迷い込んだ悟空とアラレが出会い、夢の共演を果たす。筋斗雲と同じくらいの早さで走るアラレを見て「おまえどこで修業したんだ!?」と驚く悟空と、「それなに?つおい?」といつもの調子なアラレのある意味最強キャラ同士のやりとりがほほえましい。
ブルー将軍が優勢になり、悟空がピンチに陥った時には「はげしいプロレスごっご」と称し、アラレキックをお見舞いしたり股間へ頭突きを食らわせたり『ドラゴンボール』内でもハチャメチャな強さを見せつける。それには悟空も思わず「お おまえすげえなあ……!!」と感心してしまうほどの戦いっぷりだった。『Dr.スランプ』とのコラボはレギュラーになることはなく、彼女たちが漫画のなかで登場したのは後にも先にもこの一回きり。まさに伝説のコラボとして語り継がれる回である。
種族を超えて復活……? 『ONE PIECE』(『MONSTERS』霜月リューマ)
海外からも根強い人気を誇る『ONE PIECE』。第46巻から描かれるスリラーバーク編では、短編『MONSTERS』の主人公・霜月リューマの姿が。彼の姿をはっきりとらえられたのは、第47巻450話「将軍(ジェネラル)ゾンビnight」でのこと。ドクトル・ホグバックによりブルックの影を入れられ”ゾンビ”としてよみがえった役どころゆえ、見た目は白髪にガイコツ、そしてしゃべり口調は影の持ち主ブルックそのもの。しかし、和の装いや並外れた剣さばきは、『MONSTERS』で伝説の侍リューマ・ド・キングと呼ばれた彼の生前の面影を彷彿とさせる。
リューマの登場において、両作品のファンを最も高揚させたのは、”剣豪対決”であろう。闘いの中では、「記憶にない感情が湧き上がってきますよ」「何か巨大な生物と対峙したかの様な…」など、生きていたころを思い起こさせるようなセリフも。接近戦ならではの大迫力の打ち合いをみせ、歴代のゾロの戦闘のなかでも指折りの名勝負となった。
そんなリューマとゾロだが、第105巻の質問コーナー内では、二人の血縁関係が明らかに。『ONE PIECE』と『MONSTERS』の世界の結びつきを確信づけるものとなる。共演というより、まさに”出会うべくして出会った”と言いたくなるほどの名シーンであった。