『ラブライブ!』ファン注目 東映の新作アニメ「ガールズバンドクライ」をアイドル好きにも薦めたい理由

『ラブライブ!』ファン注目   東映の新作アニメ「ガールズバンドクライ」をアイドル好きにも薦めたい理由

  東映アニメーションが制作するオリジナルアニメ『ガールズバンドクライ』が、2024年4月に公開されることが決まった。TOKYO MX、サンテレビ、KBS京都、BS11で放送される。最近少なくなりつつある完全オリジナルのアニメーションであり、メンバー&メインキャスト声優はオーディションで選出された5人で構成。既に、公式サイトでは9本のMVがUPされている。

  放送開始日の決定に合わせて、12月21日には新規のティザービジュアルが公開。3月16日には作中に登場するガールズバンド「トゲナシトゲアリ」初となるワンマンライブ「薄明の序奏」の開催も決まり、さらにはカラオケDAMとのコラボキャンペーンが決定するなど、音楽アニメならではのメディアミックス展開にも注目が集まっている。

  今回のアニメで筆者が注目しているのが、何といってもシリーズディレクターを『ラブライブ!サンシャイン!!』の酒井和男が担当している点だ。記者は『ラブライブ!サンシャイン!!』の熱烈なファンであるが、酒井が静岡県の沼津を舞台に描いたのは、いわゆる美少女アイドルアニメの枠を超えた見事な青春群像劇であった。

 『ガールズバンドクライ』でも、ガールズバンド「トゲナシトゲアリ」を結成するボーカルの井芹仁菜、ギターの河原木桃香、ドラムの安和すばる、キーボードの海老塚智、そしてベースのルパという、音楽に情熱を傾ける5人の少女たちが描かれる。酒井がアイドルアニメで見せた手腕がバンドアニメでどのように表現されるのか、要注目である。

  さらに、シリーズ構成は『ラブライブ!』や『宇宙よりも遠い場所』を手掛けた花田十輝が手掛ける。記者は、もしかするとかなり『ラブライブ!』の関係者が関わっているのではないか、と推測している。いにしえからのラブライバーである記者には嬉しいことで、ライブシーンなどで、『ラブライブ!』になかった新しい映像表現が試みられるのではないかなどと想像してしまう。

  キャラクターデザイン原案は『星街すいせい』でキャラデザを担当した手島nariで、これまでの東映アニメでは少なかったリアル寄りのキャラデザである。楽器の描写もよく、キービジュアルで井芹仁菜がG&Lのギターを持っている点もツボだ。G&Lはフェンダー創業者のレオ・フェンダーが立ち上げたブランドだが、意外にアニメキャラでテレキャスタータイプのギターを手にしている例は少ない気がする。

  近年は、『ぼっち・ざ・ろっく!』などのヒットで、バンドアニメに注目が集まっている。『ラブライブ!サンシャイン!!』で9人の女の子の成長を描いた酒井が、ガールズバンドの5人をどのように描くのか。放映を楽しみに待ちたい。

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