「ボロクソ」で話題、漫画の「持ち込み」は運に左右? 元週刊漫画誌編集者が語るメリットとデメリット
編集者は常に新しい才能を求めている
いずれにせよ――これもまた、最近SNS上で話題になったことではあるのだが――どんなに未熟な部分があったとしても、「1つの漫画作品を最後まで描き切る」というのは、並大抵のことではないのである。そして、その作品を見ず知らずの他人に見せるというのは、とても勇気がいることなのである。それゆえに私は、全ての“持ち込み経験者”を心から尊敬する。
おそらく、ここ何日かのSNS上での騒ぎを見て、持ち込みに行くのを躊躇している若い人も少なくないかと思うが、ほとんどの漫画編集者は常に新しい才能を求めているものなので、あまり深刻に考えることなく、試しに一度、どこかの編集部のドアを叩いてみるといいのではないだろうか。
[付記]本稿ではあくまでも旧来のスタイルの「持ち込み」について書いた。近年では、リモートで講評を受けられるケースや、同人誌即売会などでの出張編集部もある。また、SNSの個人アカウントで持ち込み作品を募集している編集者もいるので、漫画家側の選択肢は以前よりも増えているといえよう。