江口寿史 × ルカ・ティエリ、日伊の異才二人が描く東京の街と音楽『トーキョー・アルテ・ポップ』展レポ
都会の奔流の中、音楽を伴った二人の絵が背中合わせに微笑みかける
江口とティエリはそれぞれ、ロックバンドの音源のジャケットデザインを手がけている。江口は『君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命』(銀杏BOYZ、2005年)、ティエリは『いいね!』(サニーデイ・サービス、2020年)。どちらも近代日本のロックシーンを代表するグループである。
15年の歳月を隔てる両者は、時代の変遷などおかまいなしにリンクし、本展にたどり着いた盟友のようだ。けっして色褪せることのない東京のポップアートとロックが確かにここで共鳴していた。名曲を飾るカバーガールも永遠に鮮やかに微笑み続けるだろう。異文化が交差する東京のど真ん中で、二人展を見たあなたにはどの絵が心に迫り、どんなサウンドが聞こえてくるだろうか。
ルカ·ティエリから読者へスペシャルメッセージ
最後に、ティエリから届いた読者へのメッセージで本稿を締めくくりたい。
”この展示でTOKYO ARTE POPな江口寿史先生と僕の作品を見てもらいたいのはもちろんですが、展示ケースに入っているそれぞれが影響された本やレコードも見て楽しんでもらいたいです。右は江口先生、左は僕の私物ですがやっぱり両方にメビウス先生や大友克洋先生がいます。
僕と江口先生は生まれた場所も年齢もキャリアも違いますが、持ち寄ったものを見て「なるほどー」「これいいよね」とか「これ何ですか?」「めくってもいいですか?」と盛り上がりました。置ききれなかったものもまだまだたくさんあります。
アートには国境がない。時代も場所も超えるとあらためて思います。
TOKYO ARTE POPは10月29日(日)まで続きます。僕が在廊するときはInstagramのストーリーにアップするようにしています。もしも僕がいたら声を掛けてください!10月に東京に来る方は、世田谷文学館の「江口寿史展 ノット・コンプリーテッド」とぜひハシゴしてください。”
■関連情報
▼イタリア文化会館(公式サイトの情報)TOKYO ARTE POP トーキョー・アルテ・ポップ──江口寿史×ルカ・ティエリ展
https://iictokyo.esteri.it/iic_tokyo/ja/gli_eventi/calendario/2023/09/tokyo-arte-pop-mostra-di-eguchi.html
▼世田谷文学館 江口寿史展 ノット・コンプリーテッドhttps://www.setabun.or.jp/exhibition/20230930-20240204_hisashieguchi.html
▼Luca Tieri Instagram https://www.instagram.com/luca.tieri/