【漫画】ロマンス・グレーの老紳士がカッコ良すぎて……歳の差の恋愛感情を描くWeb漫画が話題
――約3.6万いいねが集まっていますが、手応えはいかがですか。
松野義己(以下、松野):結構な反響をいただきました。個人的には「老紳士」というジャンルがカッコいいと思うのですが、ニッチなジャンルでもあるので「読まれるのかな……」と不安があったんですよ。でも「行けるはずだ!」と強気な気持ちで投稿したら、好評で。本作をブラッシュアップして連載に至りました。
――老紳士とOL風の女性を組み合わせた作品は少ない気がします。
松野:最初は老紳士ともっと幼い女の子の物語にする予定だったんですよ。でもそれだと話が展開していかなくて。それからラブコメ風にしたいという狙いもあり、OL風な女性と絡めて考えた記憶があります。その甲斐あって「枯れ専」と呼ばれる方々が反応してくれたり、老紳士の達観している感じと女性のギャップがうまく届いたなと。
――キャラクターのモデルはいたりします?
松野:特にいません。自分のなかから出すしかなかったです。女性は守られているだけじゃない強めのイメージで、老紳士は個人的にカッコいいと思った要素を全部乗せした感じでしたね。ただ年齢差がある両者が絡んだ時に気持ち悪くならない距離感は意識しています。
――老紳士が呼ばれていた「ホール・フォール(滅びの穴)」というネーミング由来は?
松野:思い付きだったと思います。あと僕が中二病だということも関係しているかもしれません(笑)。また「帰りなさい」と言うシーンは当初から最も描きたかった場面でした。それからギャップを感じさせるオチの部分も描いていて楽しかったですね。
――逆に苦労した部分はありますか。
松野:読み切り13ページにボリュームを抑えるのに苦労した覚えがあります。特に女性をナンパしてくる軍人のセリフが長すぎたりすると、読むリズムがもたれてしまうのでカットしたり。そういったコマの調整は気を遣っています。この点では担当さんのアドバイスは勉強になりました。
――現在『ロマンス・グレー〜老紳士に惚れちゃう話〜』として連載されている内容と、本作とで変化している部分はあります?
松野:変わっている点は多々あります。最初は「SNSに載せて広く読んでもらう」というコンセプトもあったのですが、今はストーリーに重点を置き、続けて楽しんでもらえるようにと考えていたり。ただ「老紳士がカッコいい」という点はブレないようにしつつ、毎週苦労しながら描いています(笑)。
――今後の展望もお願いします。
松野:連載については、しっかりストーリーを描いてイケおじの魅力を伝えられればと思っています。あと連載のおまけ漫画をギャグテイストで描いているのですが、それも楽しいんですよ。特に今はシリアス寄りの内容なので次作以降でギャグ作品を描けたら、という気持ちもあります。
■書籍情報
『ロマンス・グレー〜老紳士に惚れちゃう話〜』第1巻