『ろくでなしBLUES』最強クラスの鬼塚&川島、作者が「なかったことにしたい」描写とは SNSで展開中の”森田まさのり劇場”

『ろくでなしBLUES』鬼塚&川島の描写ミスとは

 『ろくでなしBLUES』や『ROOKIES』、『べしゃり暮らし』などのヒット作で知られ、現在「グランドジャンプ」で『ザシス』を連載中の漫画家・森田まさのり氏がX(旧Twitter)上で展開している「なかったことにしたい」シリーズが止まらない。特に“ろくブル”とともに青春時代を過ごしたファンにとってはたまらない内容だ。

 「なかったことにしたい」シリーズは、森田氏が手掛けてきたヒット作について、いま振り返って納得がいかない描写や単純なミス、ストーリー展開などを自ら指摘し、自虐風味でネタとして昇華している一連のポストだ。なかでも不良漫画金字塔『ろくでなしBLUES』は取り上げられる割合が大きく、シリアスなシーンが多いだけに、森田氏自身の軽妙なツッコミとのギャップに思わず笑わされる内容が多い。

 9月4日にポストされた「なかったことにしたい。その32」には、渋谷楽翠学園のトップで東京四天王の一人・鬼塚が登場。ラスボス感のある強者で、ランチコートがトレードマークだったが、森田氏は「再登場したこの時!この時コート脱がすチャンスやったのに…!」と、季節を無視したファッションに納得できていない様子だ。

 これに対して、『アイシールド21』や『ワンパンマン』で見事な作画を見せている漫画家・村田雄介氏は、「当時、このシーン手前で「このランチコートは!?」となって、このコマで「待ってました!!」となりました。ランチコート、大正解だったんじゃないでしょうか。めちゃくちゃワクワクしました!」と反応。ファンも同じ気持ちだが、森田氏は「トレードマークが足引っ張る事あるから気をつけてください」と、先輩としてのアドバイスを送っている。

 一方、9月3日にポストされた「なかったことにしたい。その31」では、逆にトレードマークの描き間違えを告白。こちらも作中屈指の強者である大阪・極東高校の川島について、「作中、黒の革靴ばかりのキャラの中、唯一この白い靴を履かせてたキャラやったのに、こんな盛り上がった戦いの最中、このコマだけ黒て…。」と明かしている。

 「こんなでっかい決めゴマでなんで堂々とまちごうたんや…。決めゴマやぞ…。」と、後悔の念を語る森田氏。もっともファンは気にしておらず、概ね「影だったことにしよう」という方向性でまとまっている。鬼塚も川島も、こうしてあらためて見ると本当にカッコいいキャラクターだ。

 このようにSNS上で展開されている、いわば意図しない自作自演の“森田まさのり劇場”。過去作の単行本を読み、先回りしてツッコミどころを探してみるのも楽しそうだ。

※初出時、「鬼塚」を「葛西」と誤記しており、修正いたしました。お詫びして訂正いたします。

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