『だが、情熱はある』で注目の芸人エッセイ本 ドラマ化が相次ぐ理由とは?
「芸人のエッセイは特に面白くて読みやすい、そして膨らましやすいのがドラマ化されるポイントになっていると感じます。 今の時代、先がどうなるか分からないと、観るのが辛い人が多いなか、あらかじめ成功者の観点から描かれていくので、保険がかかっている状態というか。リアルな青春小説や青春ドラマを作れないからこそ、実話を基にしたものが増えているのだと思います。同時に芸人が1番、今、日本で成長物語を作りやすい。それは『M-1グランプリ』などを通して、シンデレラストーリーに持っていきやすいというのもあると思います。『だが、情熱はある』のプロデューサーの河野英裕さんは日テレで、木皿泉さんの『すいか』『野ブタ。をプロデュース』、一方で岡田惠和さん脚本の『銭ゲバ』『泣くな、はらちゃん』『ど根性ガエル』などを作られてきた方ですが、一時期、ドラマを離れて『青くて痛くて脆い』『メタモルフォーゼの縁側』など映画の方に力をいれていて、2021年放送の『泳げニシキゴイ』くらいからまたドラマに戻ってきた印象があって、芸人モノに活路を見出した気がしますね。今後は日テレ以外の局でも、こうした作品が増えていくんじゃないでしょうか」
髭男爵・山田ルイ53世の『一発屋芸人列伝』(新潮文庫)、ハライチ・岩井勇気の『僕の人生には事件が起きない』(新潮社)、オズワルド・伊藤俊介の『一旦書かせて頂きます』(KADOKAWA)など、今のバラエティ界で活躍する芸人たちのエッセイをは今現在続々と出版されている。英国で旋風を巻き起こしたとにかく明るい安村の話題もあったが、次に続く実話エッセイドラマ化は誰の作品になるのか。