鳥山明さんの凄さがわかる“没ネーム”が話題 高千穂遙氏「清須に鳥山明記念館ができたら、無償で寄付します」
SF作家で「スタジオぬえ」の設立者としても知られる高千穂遙氏が自身のXにて、親交のあった漫画家・鳥山明さんの“没ネーム”を立て続けに公開。「清須に鳥山明記念館ができたら、5枚すべて無償で寄付します」と、鳥山さんの地元・愛知県清須市に記念館ができることを期待した。
わたしが所有している鳥山明さんの没ネーム、最後の1枚です。
この没ネーム、清須に鳥山明記念館ができたら、5枚すべて無償で寄付します。万が一、中東などにできてしまった場合は、有償とします。願わくば、清須にできますように。 pic.twitter.com/xM7LfnKX2N
— 高千穂遙 (@takachihoharuka) September 21, 2024
多くな著名な漫画家と仕事をしてきた高千穂氏は、これまでも手塚治虫や松本零士など、レジェンドたちのサイン色紙をXで公開し、漫画ファンを喜ばせてきた。そんななか、鳥山さんの死去が発表された2024年3月8日には「ドラゴンボールが実在するのなら、何があっても7個集めたい。心から、本当に心からご冥福をお祈りします」とコメント。貴重な没ネームを公開して、鳥山さんの知られざる仕事と、漫画家としての卓越した才能をあらためて伝えてきた。
再掲。はじめてお会いしたとき、鳥山明さんからいただいた没ネーム。鉛筆画です。これが背丈くらいご自宅にあって、「好きなだけ持っていっていいですよ」と言われたのですが、遠慮して数枚だけもらってきたものの1枚です。 pic.twitter.com/hBq8HyrTYW
— 高千穂遙 (@takachihoharuka) March 8, 2024
高千穂氏は鳥山さんと初めて会ったとき、没ネームを譲り受けたという。鳥山さんの家にはこうしたネームが背丈ほどに積み上げられており、「好きなだけ持っていっていいですよ」と言われたそうだが、高千穂氏は「遠慮して数枚だけもらってきた」と語っている。いずれにしてもそのおかげで、ファンは貴重な没ネームを見ることができているわけだ。
興味深いのは、同じページの没ネームが2枚あること。いずれも完成原稿が楽しみになってしまうような出来でもボツになっており、高千穂氏は「あれも没、これも没で、トリシマさんの鬼っぷりが伝わってきますね」と、鳥山さんの才能を見出し、世に送り出した伝説的編集者・鳥嶋和彦氏の仕事の厳しさに思いを馳せた。
最初に公開した鳥山さんの没ネームの別バージョンです。同じ頁であるを示す「1」が入っています。あれも没、これも没で、トリシマさんの鬼っぷりが伝わってきますね。裏面には、ポリー・バケッツさんのカットがもうひとつ描かれています。構成過程を知るためのいい資料かもしれません。 pic.twitter.com/JpdAHmiXjh
— 高千穂遙 (@takachihoharuka) September 19, 2024
高千穂氏は冒頭の「記念館への寄付」について、アニメや漫画に関する貴重な資料の海外流出が問題化するなかで、「万が一、中東などにできてしまった場合は、有償とします。願わくば、清須にできますように」と結んだ。鳥山さんの仕事に直接触れて、ファンがその功績を思い、クリエイターがインスピレーションを受ける記念館がゆかりの地にできることに期待したいところだ。