JR東日本、電車内映像チャンネル「TRAIN TV」リニューアルに賛否? 出版関係者「ビジネス書には有効」

電車内番組「TRAIN TV」どんな人が見てる?

■「TRAIN TV」がリニューアルされ内容充実

photo:muhammad irfan(unsplash)

 

 首都圏を走るJR東日本の電車内で流されている「TRAIN TV」。JR東日本企画(jeki)が手がけており、毎日電車で通勤するビジネスパーソンなら一度は目にしたことがあるだろう。「TRAIN TV」はリニューアルされて以降、人気YouTuberやお笑い芸人を起用した独自の番組を放送している。

 しかし、ネット上では「誰が見ているんだ?」「リニューアルする意味はある?」という声も聞かれる。実際のところはどうなのか。埼玉から品川まで通勤しているビジネスパーソン(35歳)に聞いてみた。

「電車の中ではスマホで漫画を読んだり、音楽を聴きながら過ごしています。電車内の映像ですか? 普段、そんなに見ることはないですね。そもそも“TRAIN TV”という名前があったことを今知りました」

 こう話す人がいる一方で、中央線を利用して新宿まで通勤するビジネスパーソン(40歳)は「TRAIN TV」をよく見ると話す。

「HIKAKINの動画が流れているのを見ますよ。中央線は毎朝混雑していてかなりしんどく、時間帯によっては、スマホを触るのも大変だったりするんですよ。そんなときは、電車の中の動画はいい時間つぶしになります。頻繁にチェックしているわけではありませんが……」

 コロナ禍が収束してテレワークがなくなったという企業も少なくなく、通勤電車は慢性的に混雑するようになった。朝のちょっとした息抜きに、「TRAIN TV」を視聴する人は多いようだ。こうした、何気なくフッと目にしたり、移動中の合間に映像を見る、そんな需要は確実に存在するようだ。

■電車内の映像や広告は潜在的可能性がある

 鉄道は以前から広告の戦場のような場であった。電車の車内は吊り広告があふれていたし、駅のホームの目立つ位置にも看板が掲げられている。新幹線の車窓を見ると、田んぼのなかに「727」などの巨大看板が設置されていた。ところが、最近は電車広告の掲出量は明らかに減っており、週刊誌の中では吊り広告をやめた雑誌も少なくない。

 しかし、スマホ全盛の時代になっても、電車内の広告は役立つ、むしろ可能性が大きいと考える企業も少なくない。「ネット広告よりも電車広告。少なくとも、ビジネスパーソン向けの広告は、首都圏の電車がかなり有効です。特に、ビジネス書の広告には最強ですね」と話すのは、ある大手出版社の編集者。

 電車内の広告とネットの記事を連動させて宣伝効果を高める企業もある。首都圏で新製品やイベントを広めるために広告を掲出する場として、鉄道がまだまだ高い需要を持っていることは間違いないようである。

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