【ライトノベル最新動向】『わたしの幸せな結婚』が5週連続で1位 『無職転生』や『スパイ教室』などアニメ化作品が続々
7月からスタートするアニメの新番組では、『魔王学院の不適合者 Ⅱ ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~』や『無職転生 Ⅱ ~異世界行ったら本気だす~』、『ライアー・ライアー』『スパイ教室 2nd season』といった、Rakutenブックスのライトノベルランキングに顔を出すことが多い作品が原作となったものも少なくない。7月5日からTVアニメがスタートする『わたしの幸せな結婚』も、Rakutenブックス週間ライトノベルランキング(6月5日~11日)で顎木あくみによる原作小説の最新刊『わたしの幸せな結婚 七』(富士見L文庫)が5週連続で1位を堅持。7月14日の発売までこの勢いを保ちそうだ。
Snow Manの目黒漣が主演した実写映画『わたしの幸せな結婚』が、興行収入で27億円を突破する大ヒットとなって映像化にも成功したシリーズ。TVアニメの方は実写映画で今田美桜が演じた斎森美世を上田麗奈、目黒漣が演じた久堂清霞を石川界人と、いずれも高い実力と人気を誇る声優が演じている。家族に虐げられた環境から、冷酷無慈悲と噂される清霞の元へ嫁ぐことになった美世の薄幸ぶりや、優しさを内に秘めながらも冷酷に振る舞う清霞の複雑な心情を、どのような声で聞かせてくれるかが気になるところだ。
原作小説の方は、そうした緊張感の漂う出会いを経て、お互いを理解し合うようになった美世と清霞が、数々の事件を乗り越えてようやく結ばれ、タイトル通りの「幸せな結婚」を果たすところへとたどり着く。とはいえ、清霞が婚礼の前日に緊急の呼び出しを受けて仕事に向かったきり帰って来なかったり、新たな謀略の芽が出始めていたりと不穏な動きも色々とありそう。ハラハラさせられる展開の先に果たして本当の幸せは訪れるのか? 刊行が待ちきれない。
今夏のアニメ化作品では、6月23日発売の理不尽な孫の手『無職転生 ~蛇足編~1』(MFブックス)が8位。34歳で無職の日本人が異世界に転生して、厖大な魔力を持ったルーデウスとして成長しながら学んだり、戦ったりして成功を収めていくストーリーが人気の作品で、最新刊では「蛇足」の名前のとおりにルーデウスの妹ノルンの結婚話や、長女ルーシーの初登校を描く短編を楽しめる。
TVアニメの第2期が始まる竹町「スパイ教室」シリーズの最新刊で、7月20日発売の『スパイ教室10《高天原》のサラ』(ファンタジア文庫)も27位にランクイン。スパイ学校の落ちこぼれ少女たちが集められ、不可能任務をこなしながら成長していった先で強大な敵と渡り合い、自分たちを見つめ直そうと離散してから1年。少女スパイたちは再結集して新たな不可能任務に挑む。個性的な特徴を持ったキャラたちのバージョンアップした姿に期待をふくらませながら、そこに至るまでが描かれるTVアニメで展開をおさらいしていきたい。
「思春期症候群」と呼ばれる、若者に特有の心理が周囲に異常事態を起こす現象が描かれて来た鴨志田一の「青春ブタ野郎」シリーズは、TVではなく劇場アニメーション映画『青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない』が6月23日に公開。不登校の状態から、兄と同じ高校への入学を目指す妹の頑張りが描かれる。ランキングには、シリーズ最新刊で7月7日発売の『青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない』(電撃文庫)が12位にランクイン。霧島透子という名でミニスカートのサンタクロース姿をしていて、主人公の梓川咲太にしか見えない謎の女性が絡むストーリーになりそう。
ランキングでは2位に衣笠彰梧による人気シリーズ最新刊で、6月23日発売の『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編9.5』(MF文庫J)が続き、3位と4位には大森藤ノの「ダンまち」シリーズ最新刊で、9月15日発売の『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか19』(GA文庫)とドラマCD付き特装版が登場。「ダンまち」シリーズは他にも、8月11日発売の『アルゴノゥト豪華特装版 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 英雄譚』が11位、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 掌編集2』が14位、6月15日発売の『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか オラリオ・ストーリーズ』が18位、7月14日発売の『アルゴノゥト前章 道化行進 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 英雄譚』が21位となっていて、毎月のランキングを賑わせそう。