『ONE PIECE』ルフィが招いた悲劇……“悪”としての海賊像がついに表面化?

『ONE PIECE』ルフィが招いた悲劇

 これまで『ONE PIECE』(ワンピース)では、さまざまな海賊たちの生き様が描かれてきた。なかでも主人公のモンキー・D・ルフィに関しては、正義のヒーローというイメージが強かった印象だ。しかし最近の展開から、海賊の“悪”としての一面が浮き彫りになりつつある。

 ※以下『ONE PIECE』最新話のネタバレを含みます。

 読者たちに衝撃を与えたのは、5月8日発売の「週刊少年ジャンプ」に掲載された第1082話。そこで海軍に所属する“船斬りTボーン”ことTボーン中将の死亡が明らかになった。

 Tボーンの命を奪った犯人は一般市民だったが、事件の背景には複雑な事情が存在する。その市民は家族と共に貧困に苦しんでおり、海兵に懸賞金をかける組織「クロスギルド」からの報酬を当てにしていたという。

 また「クロスギルド」の結成により、Tボーンのみならず、数多くの海兵が報酬を求める人々の犠牲になっている状況だ。治安を守るために働く海兵が標的となったことで、世界は大混乱に陥りつつある。

 問題は、そんな組織に監獄「インペルダウン」からの脱獄者が多数含まれていること。構成員だけでなく、組織の中心人物であるバギーとクロコダイルも元脱獄者だ。

 そして「インペルダウン」で起きた大量脱獄事件は、ルフィがエースを救おうと獄中に潜入したことが1つのきっかけだった。その混乱のなかで解き放たれた海賊たちが、今では海兵狩りを扇動するように……。因果関係を紐解くと、ルフィの行動が間接的に海兵の死を招いたとも言えるだろう。

 しかも今回命を落としたTボーンは、海兵のなかでも一点の曇りもない善人として描かれていた人物だ。「一日百善」をモットーとして、世界が平和でやさしくあることを祈り、エニエス・ロビー編では「罪なき市民の明日は必ず 私が守る」という名言も残していた。

 遠い影響関係とはいえ、そんな愛すべき海兵がルフィの影響によって落命したことで、ショックを受ける読者も多いようだ。

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