【連載】『ガンダムZZ』は“見なくていい”作品なのか?
【新連載】『機動戦士ガンダムZZ』は本当に“見なくていい”作品なのか? 第一話から「総集編」の不穏な幕開け
続いて『Z』についてもダイジェスト的に紹介。ティターンズとエゥーゴとの戦いの経緯をあっさりめに紹介し、この時期は混沌の時代で人がたくさん死んだ、ということを解説している。ただ、このあたりはいきなりサイド1に移動するアーガマの艦内に視点が移ったり、かと思えば『Z』本編の映像になったりして、なんのコーナーなのかかなりわかりづらい。あくまで雰囲気で把握してくれという感じである。
さらに唐突に始まるモビルスーツシルエットクイズで、混乱は頂点に。なぜか池田秀一(別にシャアであるとは断言されていない)がシルエットで登場した百式などのクワトロ・バジーナの乗機を褒めまくり、シンタとクムに突っ込まれるという衝撃の展開である。このあたりはいかにも80年代的なオタクの悪ふざけという感じで、なんとも大らかだ。しかし、自分はこれを見るまで「喜望峰の発見者であるバーソロミュー・ディアスが、リック・ディアスという機体名の由来である」というのは知らなかった。勉強になるな……シルエットクイズ。
以降は『Z・刻をこえて』をBGMにしたイメージ映像やら、次週放送されるであろう『ZZ』の本編第1話のダイジェスト(にしては見せすぎな気がする)やらが流れて終了。放送前の特番や前番組の総集編という扱いにしても、どうにも散らかった印象で、のっけから不安になる内容だ。昭和のテレビって、けっこういい加減だったんだなあ……。
ただ、前半だけに限れば「宇宙世紀もののガンダムの基礎設定の説明」としては非常によくまとまっていたのも事実。1986年時点では説明することもさほど多くないという理由はあるが、それゆえに短時間で「ガンダムシリーズとはこういう作品です」という点をうまく説明しており、この点だけは今見てもなかなか面白いと思う。あと、シルエットクイズに関しても、ネタ的な面白さはあった。「必見!」というほどではないですが。
ということで、いよいよ次から本編である。一発目が総集編というなかなか不穏なスタートとなった『ZZ』というアニメの幕開けは、一体どんなものだったのだろうか。