ギャグマンガ界のレジェンド・曽山一寿が審査委員長の漫画賞誕生 そのユニークな応募条件とは


 子ども向けの漫画雑誌では最大の発行部数を誇る「コロコロコミック」編集部が、2023年は漫画家を「圧倒的大募集する」と宣言し、「全日本コロコロまんが家スカウトプロジェクト」を始動させた。その第1弾として、「曽山一寿賞」の創設が決まった。

 審査委員長を務めるのはもちろん、『絶体絶命でんぢゃらすじーさん』などの傑作を手掛けたギャグマンガ界のレジェンド・曽山一寿である(「曽山一寿賞」なのに別の漫画家が審査委員長に就任していたら、それはそれで面白いが)。応募締切は2023年4月13日(郵送の場合、当日消印有効)で、大賞には100万円、入賞には10万円が贈呈される。編集部も「おもしろいまんがを描くだけで大金が手に入る!」と、応募を呼び掛けている。

 ルールは「登場人物は2人まで」「ページ数は1ページでも1000ページもOK」という斬新なもので、過去に他の漫画賞で落選したり、SNSで発表済みの作品でも応募できる(ただし、商業誌で発表した作品や他誌で受賞・掲載された作品はNG)。さらに「カラーでもモノクロでもOK」であり、内容もギャグにこだわる必要はなく、ヤンキー、恋愛、学園モノ、何でもありなのだという。入選以上の作品は「月刊コロコロコミック」「別冊コロコロコミック」「週刊コロコロコミック」のいずれかに掲載が確約される。

 応募方法は郵送やWEBの投稿フォームのほか、Twitterでツイートしてもいい。ハッシュタグ「#曽山一寿賞」をつけてツイートし、「コロコロコミック」の公式アカウントをフォローするだけで応募完了となる。曽山曰く、漫画家になりたい人、コロコロコミックに興味のある人はもちろんだが、ただ賞金が欲しいだけの人でも歓迎という。しかも、応募作品は必ず全部読むと宣言している。

 今回の賞でもっともユニークなのは、「登場人物は2人まで」という縛りがある点だ。これは「わかりやすい漫画が好き」という曽山の希望で設定されたもの。曽山はこれまで小学館の新人コミック大賞の審査員を務めた経験から、漫画家志望者の作品にキャラが多すぎて、話がわかりにくくなっている点が気になっていたという。何より、曽山自身が過去の応募作でキャラを増やしすぎて落選した経験があり、あえて少数精鋭という制約を作ったそうだ。

 なお、曽山は「一通も応募がなかったら、俺が送って俺が賞金もらう!!」と宣言しているが、Twitterを見る限りすでに応募作がUPされつつある。曽山に賞金が渡ることはなさそうだ。果たしてどんな作品が集まるのか、発表を楽しみにしたいものである。

 ネット上には曽山本人が「曽山一寿賞」の例題作品として描いた『とげ山とげ蔵78さい』がUPされており、無料で読むことができる。とてつもなく笑えるので、応募する人も、しない人もチェックしておきたい。

▼曽山一寿賞の詳細はこちら
https://corocoro.jp/news/354241/

▼「曽山一寿賞」の例題作品『とげ山とげ蔵78さい』
https://soyamanga.blog.jp/archives/20199259.html

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