DJ KOO 常に楽しく生きるために僕が心がけている5つのポイント


 1990年代からのクラブシーン、いや、日本の音楽シーンそのものを席巻し、ダンスミュージックを日本中に浸透させたTRFのリーダーであるDJ KOOは、音楽だけではなく、今やバラエティーの分野でも引っ張りだこのマルチアーティストてして活躍中だ。

 そんな彼が、このたび二冊目となる著書「DJ KOO流 心・体・脳の整え方」を世に放った。今や還暦を超えたDJ KOOが「常に楽しく生きていく」ために実践していることを、読者に語りかけるようにつづったこの一冊。そこには同世代の人にはもちろん、若い人たちにも体を整える「なるほど!」な話が詰まっている。

■DJ KOO流 常に楽しく生きるポイント1  『気になったことはメモを取る』


 「僕、実はけっこうメモ派なんです。思いついたこととか、こうしたらよかったとか、覚えておこうと思ったことはすぐにメモしています。最近はスマホを使っていますが、長く紙にペンで書くスタイルでした。ある時メモを使っている話をしたことがあって、PHP研究所の方に「ちょっと見せてください」って言われて見せたら興味を持ってくれて。『これをまとめて本にしませんか?』ってことになって……。僕がいいと思ってやっていることが、ほかの方の役にも立つならと思ってお受けしました」

 心や体、脳を整えるという発想をはっきり意識したきっかけは、突然大病に見舞われたことだった。

 「5年前に脳動脈瘤が発覚したことが大きいですね。来週には、もう僕はこの世にいなくて、周りにあったすべてがなくなっちゃう、妻と娘は僕のいない生活をしているのかもとか、そういう死のリアルを感じてゾッとしました。まだまだ仕事も全力でやりたいし、家族とも一緒に過ごしたい。そう思ったら生活のいろんなことを変えるしかない。でも長年の習慣を変えるのって、そんなに簡単なことじゃないんですよね。だからそこにルーティンが必要になったことに気づいて」

 ルーティンというと、アスリートが試合前に必ずやるおまじない的なものを思い浮かべる人もいるし、決まりきった仕事、最低限やるべきことなど、人によって持っているイメージが異なるのではないだろうか。

 「みんな意識していないだけで、その人なりのルーティンはきっと持っています。例えば僕の場合、気持ちを切り替えなきゃと思ったらTikTokを見ることが多いです。それで気持ちがすっきりしたり、体が軽くなったり、脳の働きがよくなること、それこそ僕がおすすめするルーティンなんです」

■DJ KOO流 常に楽しく生きるポイント2  『ルーティンとパターンの違いを理解する』


 ルーティンを“必ずやること”と解釈すると義務感が発生するが、DJ KOOさんにしてみれば、やるといいことがあるルーティンに、一切義務感はないという。

 「パターンとルーティンは違います。同じことを繰り返す、パターンはやがて飽きてしまいますし、義務では続きません。でもルーティンは『こうすると自分にいいことがある』ので、やるのが気持ちいいんです。例えばウォーキングですが、僕は決まったコースを歩くようになってから、季節の移り変わりに敏感になったことがすごく嬉しい発見でした。それに病気をきっかけに食べものや睡眠時間など、健康に気を遣うようになると体が動くし疲れにくいから仕事もどんどんできる。何かを我慢しているという感覚ではなく、それをやると心とか体とかの調子がいい、それもルーティンなんですよね」

 他の人がやっていることを取り入れるのもいいが、自分にとって合っているかどうかを検証し、本当に自分にとっていいことだけをルーティンとすることが大事。

「他人が、じゃなくて、自分がどう感じるか。今、世の中にいろんな情報があふれているから、かえって決めるのが難しくなってますけど、最後は自分が決めるしかない。そして自分が決めたことは、自分にとっての正解なんですよ」

 しかしそれは他人の意見を聞かないということではない。

 「僕は学生時代ラグビーをやってて、とにかく理屈はわからなくてもいいから体で覚えろとか、とりあえず一回何も言わずに教える人が言う通りやれとか、ずっとそういうことばかりやってきてて。その経験があるのか、自分が経験していないことでも、抵抗なくやることができる。年を取ってくるとそういうのが難しくなると言われますが、新しい面白いことに出会えるチャンスととらえたら、むしろ年取ったらやりたくないとか言ってる時間がもったいない。今はブレイクダンスを習いたいと思っていて、スタジオを探しているところなんです(笑)」

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