7月のライトノベルはSFアクションに注目! 『わたしの幸せな結婚』『紅霞後宮物語り』の新刊も登場

7月刊行のライトノベル、注目の作品は?

 7月のライトノベルは、SFやアクション系の新シリーズが面白そう。女性に人気のシリーズ最新刊や完結編も出て楽しませてくれそうだ。

 7月1日にスニーカー文庫から登場のメソポ・たみあ『刻をかける怪獣』は、怪獣によって壊滅してしまった日本で、主人公の蘭堂シンがタイムリープと人型怪獣に変身する能力を手に入れ、死んでしまった幼馴染みを蘇らせようと奔走するストーリー。『サマータイムレンダ』に『怪獣8号』が重なったような設定にそそられる。

 7月8日発売の電撃文庫から登場する、第28回電撃小説大賞《銀賞》受賞のひたき『ミミクリー・ガールズ』は、不慮の事故で大けがを負った軍人が人工素体を得て蘇ったものの、それが美少女のボディで、同じように美少女の素体を持った4人でチームを結成し、大統領の娘を狙う敵と戦う。秋本治の漫画にも、凄腕のスパイが脳移植で女性の体になって復活する『Mr.Clice』という作品があるが、こちらは集団でのバトルを楽しめそう。

 電撃文庫からは、第28回電撃小説大賞で《選考委員奨励賞》を受賞した鴨居未鳥『アマルガム・ハウンド 捜査局刑事部特捜班』も刊行。イレブンという少女は、実は大陸戦争を支えた自律型魔導兵器アマルガムと呼ばれる存在で、戦争終結後に逃亡したアマルガムを見つけるため、人間の捜査官テオとバディを組んで任務に挑む。人の心が理解できないイレブンがテオとどのような関係になっていくか、起こる事件にどう挑むのか、興味を誘われる。

 ガガガ文庫から7月20日に刊行となる、第16回小学館ライトノベル大賞で大賞を獲得した四季大雅『わたしはあなたの涙になりたい』は、泣ける青春ストーリーといった雰囲気。全身が塩に変化して崩れていく奇病「塩化病」で母親が亡くなった少年が、天才的なピアニストの少女と出会って何かが起こる。7月29日に映画が公開となる、第26回電撃小説大賞〈メディアワークス文庫賞〉受賞の一条岬『今夜、世界からこの恋が消えても』にも描かれたような、絶望的な状況をバックに刻まれる感涙のストーリーを味わえるのかが気になる。

 第16回小学館ライトノベル大賞で優秀賞を受賞した新馬場新『サマータイム・アイスバーグ』は、ファンタスティックな設定の青春ストーリーを楽しめそう。真夏の三浦半島沖に巨大な氷山が出現。一方で3人の高校生が不慮の事故で昏睡状態となっていた幼馴染みとそっくりな少女と出会い、揃って氷山を目指すことになる。凍った時間が動き出した先に何が起こるのか?

 MF文庫Jから7月25日に刊行の涼暮皐『ネームレス・レコード Hey ウル、世界の救い方を教えて』も、滅亡しかかった世界が舞台の冒険ストーリー。遺跡群が立ち並び、危険な機械生命が跋扈する人類未到派の〈ロストガーデン〉を攻略すべく、5人の少年少女が挑むことになる。そのチームに選ばれなかった少年レリンが、人類にとって敵であるはずの機械の少女・ウルと出会い影の英雄を目指すというストーリー。ヒーロー願望をくすぐられる設定だ。

 第14回GA文庫大賞《銀賞》受賞のジャジャ丸『双翼無双の飛竜騎士』は7月15日発売。戦えない最弱の地竜と契約しながら、飛竜騎士としては究極の魔法技術を持つ少年と、処分されそうな落ちこぼれの天竜を相棒に持つ少女が出会い、お互いに足りないところを補い合いながら、最強のコンビを目指すストーリーが、自分は完璧ではないと諦めている人に勇気を与えそう。爽快学園ファンタジーとして楽しみたい。

 ライトノベルならではのユニークな設定を持った作品が、7月22日にダッシュエックス文庫から出る持崎湯葉『異世界サ活 ~サウナでととのったらダンジョンだ!~』。ブームになっているサウナを取り入れた作品のようで、サウナ好きで家にまでサウナを置いていた主人公の高虎がサウナごと異世界に転移。現地の女騎士を戸惑わせるものの、論理で相手をねじ伏せるロジハラ気質の高虎によってサウナ好きが異世界に増え、なおかつサウナの力で特殊能力まで発現するというから面白い。異世界をととのえるコメディ&ファンタジーの登場だ。

 7月25日にMF文庫Jから登場の森林梢『見た目に反して(僕だけに)甘えたがりの幼なじみを、僕は毎日論破しなければならない。』も、タイトルから論破する主人公が出てきそう。自分がとる行動は論理的に説明ができなければならないというルールを自分に課している少年が、好意を寄せる幼馴染みの美少女に対してどんな言葉を紡ぐのか。感情と論理のせめぎ合いを楽しめそうだ。

 人気シリーズも続々と登場。『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の暁佳奈が電撃文庫から刊行している「春夏秋冬代行者」シリーズで、『春の舞』に続いて『春夏秋冬代行者 夏の舞』が7月8日に上下巻で一挙刊行。神様から四季のそれぞれを顕現する力を授かった“代行者”たちが存在する世界。その代行者を狙った事件などが起こり、春夏秋冬が共同戦線を張った『春の舞』に続く展開で、夏の代行者が双子神となってしまった状況下に起こる事件に代行者たちが挑む。

 電撃の新文芸から7月15日に珪素『異修羅VI 栄光簒奪者』が刊行。全員が最強で全員が英雄というキャラクターたちが、たったひとりの勇者の座を目指してトーナメントでぶつかり合うシリーズで、今回もど派手なバトルが繰り広げられることになるだろう。

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