「魔法科高校」「とある」の番外編が急上昇 『わたしの幸せな結婚』最新刊も人気のライトノベルランキング

「魔法科高校」「とある」番外編が話題

 一方の『とある魔術の禁書目録(インデックス)』。魔術を使う人たちがいて、超能力を発達させた人たちがいる世界にあって、魔術も超能力も使えない代わりに、そうした超常的な力を打ち消す右手を持った上条当麻という少年の、長い長い戦いを描いて「新約」「創約」と続いているシリーズには、上条当麻と同じ学園都市に住む御坂美琴という女子中学生が登場する。

 最上位にあたるレベル5の超能力を持ち、学園都市で第三位の地位にある御坂美琴を主人公に、鎌池和馬が原作を書き冬川基が漫画を描いたシリーズが『とある科学の超電磁砲(レールガン)』だ。いわゆるスピンオフだが、今や本家に並ぶ存在感を持つようになり、3期に渡ってテレビアニメ化もされた。ランキング2位の『とある科学の超電磁砲(レールガン)』(電撃文庫)は、このシリーズを原作者の鎌池和馬自身が小説にしたものだ。

 学園都市でも屈指のお嬢様学校、常盤台中学に寮から通う御坂美琴には白井黒子という下級生のルームメイトがいる。美琴お姉様が大好きという性癖の持ち主で、次の週末には寮の部屋で美琴に徹底的に迫ろうと考えていたら、所属している風紀委員(ジャッジメント)の組織から格闘技の稽古を行うようにと命令された。

 お姉様との時間を削られ怒り心頭の白井黒子は、訓練の相手をさっさと倒して寮にこもるぞと決意するが、相手の固法美偉は簡単には勝てそうにもない。白井黒子は持っている空間移動能力で朝風呂中の固法先輩を襲撃するが……。イラストが入っていることを感謝したくなる「第一章 白井黒子は躊躇わない」に始まって、同じジャッジメントの初春飾利や、友達の左天涙子がメインとなったエピソードを挟み迎える「第四章 御坂美琴とお嬢の終わり」では、常盤台中学が空前絶後の状況へと陥る。

 学園都市の闇や魔術世界の陰を相手にして生き延び、神々が相手の時空を超える戦いもくぐり抜けて来た上条当麻の戦いにスケールでは譲るが、美琴や黒子や学園都市第5位の超能力者・食蜂操祈ら漫画やアニメを通してふくらんだキャラクターたちへの興味を、大いに満足させてくれる作品だ。

 ランキング3位は、累計発行部数が漫画版も含めて400万部以上になり、アニメ化と実写映画化も決まった顎木あくみの人気シリーズ最新刊『わたしの幸せな結婚六』(富士見L文庫)が7月15日の刊行を前にランクイン。家族に虐げられて育った斎森美世という名の少女が、軍人の久堂清霞と出会い幸せになるシンデレラストーリーで、最新刊では清霞を襲った危機に美世が立ち向かうストーリーが描かれる。守られていただけの存在からお互いに守り合う存在へ。ひとつの成長に触れられそうだ。

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