『きのう何食べた?』『ひらやすみ』『A子さんの恋人』……阿佐ヶ谷が舞台になった個性的な漫画たち

阿佐ヶ谷を舞台にした漫画たち

『A子さんの恋人』

 2020年にコミックス最終巻が発売された『A子さんの恋人』も阿佐ヶ谷を中心として物語が展開する作品である。作者の近藤聡乃氏は漫画だけでなく、アニメーションやドローイング、エッセイといった作品を国内外で発表している人物だ。

 アメリカから3年ぶりに日本へ帰国した漫画家・英子を待っていたのは愉快な友人たちと、3年前に別れることのできなかった恋人。そんな英子は異国の地で出会ったアメリカ人男性と交際しており、プロポーズの返事を保留したまま帰国したのであった。優柔不断な英子が友人たちに振り回されながらも、ふたりの恋人や自身と向き合う姿が描かれる。

 帰国した英子は阿佐ヶ谷で暮らすこととなるため、前述した阿佐ヶ谷パールセンターや寿ヶ木園と思われる釣り堀、実在する本屋や喫茶店も描かれる。数多くの美術作品を発表してきた近藤氏が手掛ける、緻密に描かれた阿佐ヶ谷の景色。街の雰囲気を味わうことができるはずだ。

 本稿で挙げた漫画以外にも『阿佐ヶ谷Zippy』や『NEW GAME!』、アニメ作品『アクエリオンロゴス』など、阿佐ヶ谷が舞台として登場する作品は多い。阿佐ヶ谷に住んだことがある人も、阿佐ヶ谷に訪れたことのない人も、個性的なこの街に漂う空気を感じてみてはいかがだろう。

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