和風シンデレラストーリー×妖怪退治の『龍に恋う』に注目！　ラノベ最新ランキング考察

　ランキングの方では、佐島勤による人気シリーズで、高校を卒業して国立魔法大学へと進む一方で、力の弱い魔法師たちの権利を守る活動をする一般社団法人「メイジアン・カンパニー」を立ち上げた司馬達也と司波深雪の新たな挑戦を描く『続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー4』（電撃文庫）が1位となった。

　魔法師を選ばれた存在だと考える過激派組織FAIRが、アメリカのカリフォルニアにある山で古い魔法に関わる聖遺物（レリック）を掘り出しているのを知って、魔法師の保護活動をしている団体FEHRは阻止に動く。加えて、元メンバーで今は「メイジアン・カンパニー」で働いていている遠上遼介が出動し、さらには、達也と深雪までもが渡米して、FAIRによる世界を脅かす企みを阻止する。

　日本が主な舞台だった高校編から話が世界へと拡がり、強力な魔法師をめぐる国家間の勢力争いから古代の魔法と現代魔法とのぶつかり合いへと進んでいく展開が楽しみだ。

　2位に入った6月10日発売予定の『魔法科高校の劣等生 Appendix』（電撃文庫）は、達也も深雪もまだ高校に通っていた時期、誤配された未確認文明の聖遺物が巻き起こすとんでもない事態をつづったもの。TVアニメのパッケージについた特典小説「ドリームゲーム」がシリーズ10周年を記念し文庫化された作品で、他とは違ったサービスたっぷりの内容となっている。

　3位の三上延『ビブリア古書堂の事件手帖Ⅲ～扉子と虚ろな夢～3』（メディアワークス文庫）、4位の甘岸久弥『魔道具師ダリヤはうつむかない～今日から自由な職人ライフ～8』（MFブックス）はともに人気シリーズの最新刊。5位の『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件6』（GA文庫）も同様で、隣人だった学校でも1番の美少女と交流が始まって、だんだんと仲が深まっていくラブストーリーを堪能できる。2023年にTVアニメ化が決定。ライトノベルにおけるラブコメ人気の中でも、抜きんでたシリーズになっている。