しんちゃん、いぬまる、宇宙くん……個性爆発な園児たちが活躍する漫画3選
『ハードボイルド園児 宇宙くん』
子どもらしいかわいらしさもさることながら、少々ませた幼児の視点で物語が展開されるのは『ハードボイルド園児 宇宙くん』だ。本作は4歳児·染谷宇宙(そめやこすも)の心情を綴ったモノローグが多く描かれるのだが、その内容は一般的な幼児の発想とは大きく異なるものとなっている。
たとえば他の園児を“ガキども”と呼んだり、幼稚園へ通うことを“収容所へ運ばれた”と表現したり。「フルーツバスケット」を自身をカテゴライズし居場所を見つけなければ生きていけないものと捉え、国そのものを表したゲームだと評したりーー。
他者や周りの世界をやや批判的に捉える宇宙くんは自身の内面に反し、姿は四頭身ほどで幼児らしい服装を身にまとっている。また、ときにお漏らしをしたりスーパーのおかしコーナーに魅了されるなど、子どもらしい姿も描かれる。辛口なコメントとの大きなギャップもあいまって、容姿だけでなく中身からも幼さを感じる宇宙くんからひと味違った魅力を覚えるだろう。
読者に癒しを与える存在にもなれば、健気な姿に心を打たれたり、理解不能な言動で笑わせたりと、幅広い役割を果たしている幼いキャラクターたち。育児にいそしむ親の日常を描いたコミックエッセイも多く、リアリティを感じるものからぶっとんだものまで、今後も多くの作品を賑わせてくれるだろう。