ラブコメ戦国時代「週刊少年マガジン」に新星登場! 『きみが女神ならいいのに』の“三角関係ラブコメ”という希少性
『疾風伝説 特攻の拓』『GTO』『A−BOUT!』など、数多くの大ヒットヤンキー漫画を輩出してきた「週刊少年マガジン」。だが、現在では連載作品の半分をラブコメ漫画が占めていることをご存知だろうか。『カッコウの許嫁』『女神のカフェテラス』『甘神さんちの縁結び』『それでも歩は寄せてくる』......など、中にはアニメ化が決定している作品もあるほど、強力なラブコメ10作品が誌面を盛り上げる。
参考:「週刊少年マガジン」連載作品の半分がラブコメになったのはなぜ? 編集長に聞く時代背景と戦略
ラブコメ戦国時代に突入していると言っても過言ではない「週刊少年マガジン」だが、2022年4月20日発売の21号から、ラブコメ漫画枠で『きみが女神ならいいのに』の連載がスタートした。今回は、そんな本作のあらすじと現在連載中のラブコメ漫画にはない、注目すべき新たな魅力を紹介していく。
原石ヒロインを学園No.1にプロデュース
物語の舞台は、年に一度学園のNo.1ヒロイン・女神(ミューズ)を決める「女神総選挙」が開催されている学校。そこで、前年の女神・藍羽つぐみに思いを寄せる主人公・三ツ谷盾は、ひょんなことから目立たないがやる気だけは十分な同級生・高雛うずらとタッグを組み、彼女を女神にするべく奮闘していくことになる。
「女神総選挙」はビジュアルだけではなく、普段の素行や成績、人柄、話題性が評価される。一筋縄ではいかないコンテストだが、三ツ谷が頭の回転が早く、弁が立つキャラクターであるため、理論的にうずらをプロデュースしていく。うずらがより魅力的になっていく様子はもちろん、三ツ谷の作戦も非常にユニークであるため、1話にして読み応えのある内容となっている。
三角関係の新生登場
女神総選挙、そしてヒロインをプロデュースしていくなど、少々奇抜な設定は現在連載中のラブコメ漫画と通じるものがある。だが、ハーレム系ではなく三角関係の構造になっている点に本作の希少性を感じた。
1人の男性キャラクターに対して、複数の魅力的なヒロインたちが恋愛感情を抱き、言い寄ってくる......。そんな夢のようなハーレム系は、“推し”ヒロインを見つけて応援するなど、作品に没頭できる楽しさがある。一方で、三角関係はどちらに転ぶかわからない恋愛模様、そして互いの想いがすれ違う切なさなど、ラブコメの恋愛面を存分に堪能できる魅力がある。
『きみが女神ならいいのに』で、三ツ谷がうずらをプロデュースする理由の一つとして、つぐみへの復讐も含まれているが、この2人の間にあるものこそがすれ違いによる切なさだ。現在連載中のラブコメ漫画では、『それでも歩は寄せてくる』『黒岩メダカに可愛いが通じない』が数少ない三角関係ものにあたるが『きみが女神ならいいのに』という久々の新生の登場に期待が膨らむ。