樹林伸原作で話題のバディ・ミステリー『ギフテッド』 フィクションとリアルが融合した謎解き×人間ドラマに注目

『ギフテッド』謎解き×人間ドラマに注目

 連続ドラマとして8年ぶりの復活を遂げ、今大きな話題を呼んでいる『金田一少年の事件簿』。さらに『探偵学園Q』『サイコメトラーEIJI』『BLOODY MONDAY』など、数々の人気作品を手掛けたヒットメーカーで知られる漫画原作者・樹林伸先生。

参考:『金田一少年の事件簿』が大復活!注目すべきは37歳までの“空白の20年”?

 そんな樹林伸先生が天樹征丸名義で原作を務めた『ギフテッド』(原作:天樹征丸 作画:雨宮理真)1巻が発売された。本作は、若き天才警察官と不思議な力を持つ男子高校生のバディが織りなす本格ミステリー。『金田一少年の事件簿』が復活し、再びミステリーブーム到来を予感させる今、絶対におさえておきたい一作となっている。今回はそんな『ギフテッド』のあらすじとその魅力に迫る。

警視庁の若きホープ × “視える”男子高校生 が謎に立ち向かう

 物語は、警視庁の若きホープ・天草那月(あまくさなつき)が不審な転落死事件に遭遇するところから始まる。現場の状況を見て誰もが自殺だと判断するなか、その様子を見ていた謎の男子高校生は他殺だと言い切る。彼の名は四鬼夕也(しきゆうや)。“視る”だけで殺人犯が誰なのかを当てられる不思議な力を持つ少年だ。こうしてひょんなことから事件現場で出会った2人は、今後数々の難事件に立ち向かうことになる。

魅力はフィクションとリアルの融合

 『ギフテッド』の魅力は、ミステリー作品の醍醐味とも言える謎解きの過程だ。1話で犯人が“視えた”四鬼が「殺人だよ これ」と言い切ったように、本作において、謎解きの幕開けは四鬼の不思議な力によってもたらされる。

 言わばフィクションによって謎解きがスタートするが、これによって物語が大きく動き出すのはもちろん、加害者と被害者の知られざる物語が暴かれ、ミステリー作品だけにとどまらず人間ドラマとしての深みが増していく。

 肝心な真相は、天草による現実的な謎解きによって暴かれるが、彼の確かな推理力によって明らかになる巧妙なトリックの数々は、読者のスリルやサスペンス欲を刺激し、ミステリー作品として読み応えのあるものとなっている。フィクションとリアルの融合によって生まれる人間ドラマと本格的な謎解きにぜひ注目してほしい。

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