【漫画】クールな少年を見つめる少女、なぜ焦っている? 一見上手なラブコメ漫画がプロの添削で激変
各種ウェブサービスやアプリ、SNS等の隆盛により、漫画やイラストを発表する場が拡充し、ウェブ発の人気作品も多く登場するようになった昨今。それだけに、プロを目指したり、もっと上手になりたいと考えているクリエイターも多いようで、ワンランク上の技術を伝える「解説動画」や、個別に具体的なアドバイスを送る「添削動画」が人気を博している。
なかでも15万人を超えるチャンネル登録者を抱え、常に高い視聴回数と高評価を記録しているのが、元週刊少年漫画誌の連載作家・ペガサスハイド氏だ。視聴者から寄せられた一見上手なイラストや漫画について、プロの目線で細かく添削。解説のわかりやすさとともに、あくまで本人の長所を生かし、優しく背中を押すようなアドバイスが気持ちよく、自分では絵を描かない人も楽しく視聴できるのも、大きな魅力だ。
12月12日公開の動画で取り上げられたのは、漫画家を目指し、去年から絵を描き始めたという相哲さんの作品。ラブコメ系漫画の1シーンで、クールな少年を見つめる主人公の少女が、ある「夢」のせいで動揺してしまう……という、続きが気になる内容だ。
ペガサスハイド氏はいつも、作品の「良いところ」から分析していく。今回も「セリフが少なくて読みやすく、内容もわかりやすい」「キャラクターの顔が大きく描かれているので、インパクトがある。顔がたくさん描いてある漫画原稿はよくないとされるけれど、読者が一番みたいのは顔なので、どんな表情かわからないよりいいと思う」「顔を真っ赤にして焦っている女の子がかわいい」「(最後のコマに『あの夢のせい……』という吹き出しが配置されているので)続きが気になり、ページがめくりたくなる」と評価していた。
ここからが添削の本番。ハイド氏は自らペンを走らせ、ネームを引き直していく。詳しくは動画を観ていただきたいところだが、1コマ目から、プロならではの添削ポイントが示される。元の漫画では、クールな少年がアップで登場するが、主張が強く、主人公がこの少年なのか、動揺している少女なのか、わかりづらくなっている。ハイド氏は少年を小さめに描くだけでなく、背景に教室の様子を描き込むことでシチュエーションもわかりやすく調整。漫画家が描き込むものには、すべて意味があるのだと唸らされる。