庵野秀明や小島秀夫も絶賛! 古き良きロマンあふれるSF冒険活劇『スノウボールアース』がおもしろい

『スノウボールアース』がおもしろい

大きく広げた風呂敷が心地よい

『スノウボールアース(2)』

 主人公の鉄男が、極度にコミュニケーションを苦手としているのも本作の特徴だ。友達をつくるハウツー本を読み込んでいるが、満足に人に話しかけることもできない。友達と呼べる存在はロボットのユキオだけ。そんなユキオと抜群のコンビネーションで怪獣たちをなぎ倒していくわけだが、人を相手にした時の情けない様子と、怪獣と戦っている時の頼もしさのギャップが大きな魅力となっている。

 そんな鉄男の友達をつくるという目標が、生き残った人々を救うということと自然にリンクして物語が展開していく。ミシマ・モールの人々との温まる交流と、過酷な生存環境での悲劇が描かれ、さらにそこに生き延びた人類同士の争いも描かれそうな雰囲気で、人間ドラマも濃密な展開が期待できそうだ。

 また、鉄男はロボットに乗り込み戦うが、生き延びた人類の一部は超能力を発現させ、怪獣を操り、怪獣に炎を生み出させたり瞬間移動させたりなど、多種多様な能力を持った敵がおり、ロボットと怪獣のバトルも多彩なアイデアとともに展開されていきそうだ。

 人間ドラマも大きな世界観も、バトルの展開の仕方もどれもワクワクさせてくれる要素満載で、筆者としては、今一番続きが気になるマンガの一つだ。大胆に広げた風呂敷の大きさがとても心地よく、古き良きロマンあふれるSF冒険活劇の誕生だ。

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